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「北海88号」は、紫皮紫肉の「島系571号」を母、白皮白肉の「島系561号」を父とするジャガイモシストセンチュウ抵抗性系統間の交配集団より選抜された系統で、アントシアニンを含有し紫皮紫肉を有する。 |
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既存の紫肉品種「インカパープル」に比較し、完熟いものアントシアニン色素含量が高い(表1)。また、いもの大きさや熟度の違いによる色素含量のばらつきが少ないため(図1)、肉色の安定性が高い。なお、アントシアニンの主色素は「インカパープル」と同じペタニンである(表1)。 |
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熟性は中晩生で、「インカパープル」に比べて茎長が短く、いもの1個重が大きく、収量が多く、いもの肥大が早い(表1、図2)。これらのことから、「インカパープル」より栽培しやすい。 |
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用途は調理用で、でん粉価は「男爵薯」より高く「インカパープル」より低い(表1)。目が浅いため皮は剥きやすく、内部異常はほとんどない(表2)。水煮での黒変や煮くずれは少なく、食味は中である。油加工適性はやや不適〜不適である(表3)。 |
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ジャガイモシストセンチュウに対し抵抗性を持ち、汚染地での栽培では同線虫の密度を低減し、未発生地では汚染の拡大を未然に防ぐ効果がある(表3)。 |