| 1. |
粗飼料として種々なイネ科牧草とアルファルファの乾草及びサイレージ、稲わら等を用い、10~100%の粗飼料割合で濃厚飼料と混合し、自由摂取させたホルスタイン泌乳牛延べ219頭の消化試験と泌乳成績の結果から、分娩経歴、体重、乳量、乳成分と乾物及びTDN摂取量との関係を検討する。飼料成分と泌乳牛の条件は表1に示す様に比較的広い範囲のものである。 |
| 2. |
表2に示すように、乾物摂取量とTDN摂取量は産次、分娩後週齢との相関は小さいが、体重及び乳成分生産量との相関係数はいずれもP<0.001で有意であり、乳蛋白質生産量(MP)が他の乳成分生産量よりも乾物摂取量およびTDN摂取量と高い正の相関関係を示す。 |
| 3. |
分娩経歴、体重及び乳量、各乳成分生産量から求めた乾物摂取量推定式を表3の(1)~(4)式に、TDN摂取量推定式を(5)~(8)式に示す。表3の(1)式及び(5)式はP<0.01で有意になるすべての変数を組み入れた式であるが、(2)、(3)式、(6)、(7)式は簡便化のために乳蛋白質生産量のみと体重を含めた推定式である。FCMと体重による推定式を(4)式と(8)式に示す。 |
| 4. |
乾物摂取量推定式(2)と(3)式の精度を確かめるため、都府県公立場所で得られたデータ(1998年公表データ)を、FCMと体重での推定値(日本飼養標準・乳牛1999版)と比較したところ、日本飼養標準推定値、(1)、(3)式とも差のない推定値が得られる(図1)。これらのことから、乳蛋白生産量はFCMと同様、乾物摂取量の推定に有効であり、TDN摂取量も推定することが可能である。 |