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ホルスタイン種においてMuc1のエクソン1からエクソン6までの約3,000塩基のゲノム配列を明らかにした。Muc1-VNTRは60塩基が繰返す規則性を保持しつつ、塩基配列の異なる数種類の単位が繰返している構造である。北農研牛群のホルスタイン種では、PCR産物長からの推定で繰返し数が9、12、13回(VNTR9、VNTR12、VNTR13)の割合が最も多く確認される。 |
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Muc1-VNTR領域のPCR産物を制限酵素PvuIIで消化しRFLP(restriction fragment leng-th
polymorphism)タイプを検出すると、VNTR9はタイプII、VNTR12はタイプIII、VNTR13はタイプIにそれぞれ対応し区別される。 |
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糖タンパク質では結合する糖鎖が機能性発現に重要な役割を担っているが、乳中ムチンにおける糖鎖の結合部位を推定するとMuc1-VNTR領域のアミノ酸配列を含む領域と一致する(図1)。 |
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北農研牛群で主として検出された3種類のVNTR繰返し数(VNTR9、VNTR12、VNTR13)における平均乳中体細胞数は、VNTR9<VNTR13<VNTR12の順で多く、分散分析(一元配置)では有意な差(p<0.01)が認められる。平均リニアスコアにおいても同様の結果であり、リニアスコア5以上の出現頻度もVNTR12は他より高い。一般牛群のリニアスコアにおいてもVNTR12は他より高い値を示した(表1)。 |