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| 1. |
一定時間経過後の現存量を単位面積当たりの日乾物生産量から日被食量を差し引いた値を1日単位で累積して求める。萌芽日を時間tの開始(t=0)とし、この時点の現存量V(0) を0(g/m2)とする。
V(t+1) =V(t)+( P - I)
P =aV(t)2+bV(t)+c
I = d W
〔V: 現存量(地上高3cm以上)、P: 日乾物生産量、I: 日被食量、W: 体重(V,P,I,Wの単位はg/m2)、a,b,c,d:
係数〕 |
| 2. |
現存量と日乾物生産量の実測値から、現存量を独立変数、日乾物生産量を従属変数とする2次回帰式の係数a,b,cを最小二乗法により求める(図1)。 |
| 3. |
日乾物生産量は施肥水準や放牧草の生育ステージの影響を受けるため、施肥量別、時期別に個々に係数a,b,cを決定する(表1)。 |
| 4. |
本モデルによる推定値と実測値を比較すると、年度や施肥水準が異なる場合でもおおむね一致することから、KB定置放牧草地の現存量推定が可能である(図2)。 |
| 5. |
本モデルを活用する一例として、入牧時期の違いが以後の現存量の推移に及ぼす効果を予測できる。標準施肥の場合、慣行の入牧時期では春期に現存量の増加が著しく大量の余剰草が発生するのに対し、入牧を慣行から15日早めることでスプリングフラッシュが軽減し、余剰草が減少する(図3)。 |
| 6. |
以上のように、日乾物生産量を現存量から推定する式から作成したモデルによりKB定置放牧草地の現存量推定が可能であり、このモデルを用いてシミュレーションを行うことで適切な草地管理方法について検討できる。 |
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