1. |
北海道の主要畑雑草の多くは、キタネグサレセンチュウの好適寄主であるマメ科緑肥植物と同程度に線虫密度を増加させる(図1)。 |
2. |
キタネグサレセンチュウの対抗植物である野生エンバクとアフリカンマリーゴールドのそれぞれ約60日、約110日間の栽培により、線虫密度は大きく減少する。野生エンバク栽培において雑草対策(播種量を17.5kg/10aに増加し被覆度を高め、MCPAナトリウム塩液剤300g/10a処理)を行うと雑草個体数は大きく減少し(図2)、慣行栽培(播種量12.5kg/10aで除草剤なし)と比較し、線虫密度の低減効果が向上する(図3a)。 |
3. |
野生エンバクの栽培・すき込みに引き続き夏まきダイコン栽培を行うと、すき込みおよびダイコン栽培に伴う線虫密度の変化はほとんどない。ダイコン被害度は雑草対策区で慣行栽培区より低くなる。雑草対策区では、線虫高密度圃場(土壌20gあたり100頭前後)においても、ダイコン収穫後の線虫密度が根菜類の要防除水準以下になり、次作の根菜類栽培における線虫被害が回避できる(表1)。 |
4. |
マリーゴールド直播栽培において、播種後の除草剤処理(リニュロン水和剤150g/10a)および7月までカルチ除草数回を行う慣行栽培区と、さらにその後に手取り除草を加えた雑草対策区を比較すると、栽培後の線虫密度に差異が認められるが(図3b)、マリーゴールドにはすき込みによる殺線虫効果があるため、すき込み後の線虫密度に差異はなくなる(表1)。しかし、無除草では初期生育が確保できず、線虫密度の低減効果は著しく劣る。 |