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| [背景・ねらい] |
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てんさい直播栽培では、従来から砕土性不良土壌や干ばつの影響による出芽率の低下や移植用に開発されたビートハーベスタによる収穫損失の増加などの問題があり、直播栽培技術の改善が現場から強く求められている。また、増収技術として欧州で普及している畦幅45cm〜50cmの狭畦栽培が道内でも普及しつつあるが、適応品種、栽培様式は明らかになっていない。そこで出芽率向上のための砕土方法と播種時の鎮圧法を検討する。また、収穫損失も少なくする収穫技術を提案する。さらに、狭畦栽培の栽培様式、品種適応性を評価する。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
火山性土及び砂質系沖積土において傾斜播種板方式の播種機を使用するとき、播種前の砕土状態を20mm以下の土塊径割合が90%以上にすることにより出芽率85%以上を確保できる。また、火山性土で播種機後部の鎮圧輪(幅230mm)を狭幅鎮圧輪(幅115mm)または、狭幅鎮圧輪の上部に錘を10kg載せ、鎮圧力を大きくすることにより安定的な出芽率を得ることができる。 |
| 2. |
直播てんさいは移植てんさいに比べ、根が長いので、収穫時にビートハーベスタの掘取り刃で根を切断し、掘残し損失が発生しやすい。粘質土壌用の掘取り刃では速度1.5m/s以上で、石礫地用掘取り刃では1.7m/s以上になると掘残し損失が増える傾向にある。 |
| 3. |
畦幅45cmの直播狭畦栽培で最適な栽植密度は二倍体品種で10,000本/10a、三倍体品種で9,000本/10aであり、この場合の増収効果は糖量で比較すると3〜7%である。 |
| 4. |
畦幅45cmの狭畦栽培では、防除通路(無播種畦)を設けたときの減収率は1%程度である。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
砂質系沖積土は砕土時に1mm以下の土塊が他の土壌より多くなり、風害の危険性が高いので、過砕土に注意する。 |
| 2. |
粘質土壌用の掘取り刃では速度1.5m/s以下で、石礫地用掘取り刃では1.7m/s以下で収穫作業を行う。 |
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