| 1. |
搾乳施設の汚水性状は機械室・牛乳処理室・搾乳室の作業通路から排出されたふん尿混入の少ない汚水(1)と、これに搾乳ストール・牛用通路の洗浄水が加わったふん尿混入の多い汚水(2)の2種類に分類される(図1)。 |
| 2. |
開発した浄化施設は汚水(1)を対象とし、施設は前処理、一次処理および二次処理の3施設で構成される(図2)。SS:550mg/L、BOD:810mg/L(2001年度、根釧農試の排出汚水の最大値、成牛90頭規模)を設計値とし、一日当たりの処理量を1m3として施工できる。施工費は排水量1m3当たり約96〜136万円である。 |
| 3. |
曝気槽内の活性汚泥沈殿率(SV)を30%(SV30)以内に余剰汚泥処理することにより、温暖期におけるSSおよびBOD除去率は、それぞれ95.2%、96.6%と高い値を示す。また、T-N除去率は37.9%と低いが、T-P除去率は73.3%である(表1)。厳寒期の浄化能は温暖期に比べ4〜8ポイント低下したが、大幅な浄化能の低下は見られない(表2)。年間の運転コストは約1.1万円である。処理水は中水利用ないし地下浸透できる。 |
| 4. |
日量5Lの廃棄乳が添加された汚水(BOD:1140mg/L)の浄化能は、定常運転に比べ低下するが、排水基準を満たす。日量10Lの廃棄乳添加(BOD:1750mg/L、設計限界負荷の1.7倍)では、窒素、リンの排水基準(日平均)を満たすことができない
(表3)。 |