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アジアティック系ゆり品種「モナ」(黄色)と小輪性の野生種「チョウセンヒメユリ」(赤橙色)を交配し、胚培養を利用した小輪タイプのアジアティック系ゆり品種「Li−9」を育成した。 |
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「Li−9」の花径は85〜96mmで花色は鮮橙色、花弁基部に暗灰赤色の微小斑点を有し、香りはほとんどない(表1、図1)。 |
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花房の形状は総状(段咲き)で花向きは垂直より約10度のほぼ上向きであり、球周12〜14cmの球根での花蕾数は3.0〜4.6個である(表1、図1)。 |
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1個の球根から約4本の花茎が伸長するため、1aあたりの規格内採花本数は、8709〜14959本となり、「モナ」(4221本)や「チョウセンヒメユリ」(2222本)を大幅に上回る。球周10〜12cm球は花蕾数3〜4個の花茎が多く規格外率も高くなるため収量性はやや劣る(表2)。 |
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りん片1枚から2.0〜2.5個の子球を形成し「チョウセンヒメユリ」より増殖性が高い。平均一年球重は「チョウセンヒメユリ」よりやや小さいが、養成栽培後の二年球の肥大倍率が高く、平均重・平均球周とも「チョウセンヒメユリ」や主なアジアティック系品種を上回る。分球性が強く、切花栽培用の二年養成球は多芽球となる。切花栽培に実用的な大球の占有率は79.3%である(表3)。 |