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受精卵移植技術を利用した全兄弟検定により予備選抜した候補牛の間接検定を行い優良種雄牛「北美津清号」を作出した。 |
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血統: 「北美津清号」は父系系統表記では気高系の「賢深」を父に、藤良系の「糸光」を母方祖父とする交配から作出された(図1)。
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発育性: 「北美津清号」の日増体量は直接検定で1.22kg/day、間接検定で0.92kg/dayで全国平均と同程度の水準であるが、検定開始時の体重が間接検定で228kgと小さく、全国平均の259kgに比較して育成時の発育が低い傾向にある(表1、2)。 |
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産肉性: 「北美津清号」の枝肉重量は間接検定で331kgと全国平均よりやや小さく、ロース芯面積も44cm2とやや小さい。ただし、これは開始時体重の影響も考えられる(表2)。脂肪交雑は間接検定で3.2と全国平均を大きく上回り(図2、表2)、哺育能力の高い気高系、藤良系の種雄牛では全国で上位の成績であり脂肪交雑の改良への貢献が期待される。 |
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哺育能力: 「北美津清号」は哺育能力が最も高い「賢深」を父にもち、母の血統が三代祖まで哺育能力の高い藤良系である。 |
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遺伝病: 「北美津清号」は「バンド3欠損症」、「第13因子欠損症」、「クローディン16欠損症」、「モリブデン補酵素欠損症」、「チェディアックヒガシ症候群」の遺伝子を保有していない。 |