1. |
雄特異的DNA配列(S4)および公開されている雌雄共通DNA配列から、LAMP用プライマーをそれぞれ3および15セット設計した。それらの中から、特異性、反応速度および検出感度の優れたプライマー(Primer−M1およびPrimer−C1)を選定した。 |
2. |
反応温度は63℃が最適で、35分で濁度による増幅の検出が可能である。この条件で、精製DNAを試料とした場合、雄特異的DNAは0.5pgまで、雌雄共通DNAは0.01pgまで安定して検出できる。これは1細胞あたりのDNA量の1/10〜1/50に相当する。 |
3. |
DNA抽出法としては、NaOH法が判定率および一致率が高く、操作も簡便であることから最適である(表1)。試料として5細胞を採取すれば、DNA抽出後に−20℃で約1ヶ月の保存が可能である。 |
4. |
上記1.〜3.において決定されたプライマー、反応温度および抽出方法により、キットを作製し(図1)、牛受精卵から採取した1細胞から5細胞を用いてキットの判定精度を検定した。本キットは、5細胞を用いると95%以上を正しく判定できる(表2)。 |
5. |
LAMP牛受精卵性判別キットは、−20℃で凍結保存することにより、すくなくとも9ヶ月間は検出感度の低下がみられない。 |
6. |
性判別を行った61個の受精卵を受胚牛に移植した。35頭が受胎し、出生した33頭の子牛の性はすべて判定結果と一致した(表3)。 |