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| [背景・ねらい] |
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アルファルファは、踏圧に弱いため農業機械による作業を極力少なくする必要があること、また、コントラクタを利用した収穫では作業性優先のため予乾時間が削られることから、高水分でのサイレージ調製が進められる場面が増えてきた。しかし、アルファルファは低糖含量、高緩衝能のため、高水分条件では発酵品質が安定せず、嗜好性が低下することが報告されている。
そこで、本試験ではアルファルファを高水分条件で良質にサイレージ調製するための添加剤の効果を、発酵品質、嗜好性、排汁の3つの面から評価することを狙いとする。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
蟻酸製剤あるいは酵素・乳酸菌複合製剤(Acremonium cellulolyticus由来×Lb.casei subsp.rhamnosus)の添加はpH、VBN、およびCPs含量を低下させることから、発酵品質の改善に有効である(表1)。また、酵素・乳酸菌複合製剤の添加では繊維が分解されることからOa含量およびNDF含量の低下が認められる(表2)。 |
| 2. |
一対比較法により嗜好性の比較を行ったところ、無添加条件に比べ、蟻酸製剤添加では嗜好性の改善が認められたが、酵素・乳酸菌複合製剤の添加では、嗜好性の改善は認められない。 |
| 3. |
蟻酸製剤あるいは酵素・乳酸菌複合製剤の添加により、排汁量が増加する(表3)。特に、蟻酸製剤の添加は詰込み直後から1週間程度の間に増加する(図1)。高水分アルファルファサイレージの排汁は各処理ともBODが30000mg/L以上であり、系外への無処理での排出は環境に悪影響を及ぼすと予想される。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
高水分アルファルファサイレージ調製時の情報として使える。 |
| 2. |
排汁の絶対量はサイロの規模により変動する。 |
| 3. |
排汁は環境に悪影響を及ぼすことが予想されるため、無処理では系外に流出させないことが必要である。 |
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