 |
| [背景・ねらい] |
 |
これまで、種々の粗飼料、穀類、粕類および他飼料の成分が明らかにされ、乳牛の飼料設計に活用されている。しかし、放牧草の飼料成分に関する情報は少ないため、放牧草を活用した精密な飼料設計は困難である。そこで、放牧時推奨草丈におけるイネ科単播草およびシロクローバ単播草の季節別飼料成分を調査し、その値からイネ科草種別シロクローバ混播放牧草の飼料成分表(推定値)を作成する。 |
 |
| [成果の内容・特徴] |
| |
| 1. |
単播草(チモシー:TY、メドウフェスク:MF、ペレニアルライグラス:PR、オーチャードグラス:OG、シロクローバ:WC)の飼料成分を季節別に調査し、各イネ科草を主体としたWC混播草の飼料成分を推定した(表1)。 |
| 2. |
放牧時推奨草丈(TY=30cm、MF=30cm、PR=20cm、OG=30cm)におけるイネ科単播草の年間平均CP含量および同推定TDN含量は、TYおよびMFはほぼ同じで各々約18%および70%前後、PRでは各々約18%および78%、OGでは各々約20%および約72%である。 |
| 3. |
いずれのイネ科草を主体としたWC混播草についても、イネ科草丈が放牧時推奨草丈であれば、年間平均CP含量および同推定TDN含量の推定値は、混播草中のWC乾物割合が15%のとき各々約20%以上および約71%以上となり、WC乾物割合が30%のときは各々約21%以上および約71%以上である(表1)。 |
|
 |
| [成果の活用面・留意点] |
| |
| 1. |
本成果は、TY、MF、PRおよびOGのいずれかを主体としたWC混播放牧草の飼料成分(推定値)として飼料設計に活用できる。 |
| 2. |
混播草の飼料成分は多回刈りした単播草の値から、次式により求めた推定値である。
混播草の飼料成分推定値=混播草中のイネ科草の乾物割合×イネ科単播草の飼料成分
+混播草中のWC乾物割合×WC単播草の飼料成分 (式) |
| 3. |
多回刈りした単播草の調査場所、施肥量、調査年次および施肥時期は次のとおりである。
TY、MFおよびWCは北海道立根釧農業試験場で栽培・調査した。TYおよびMFの年間施肥量(N-P2O5-K2O)は15-8-22
kg/10a とし、WCでは0-8-22kg/10aとした。
PR、OGおよびWCは北海道立天北農業試験場で栽培・調査した。PRおよびOGの年間施肥量は15-8-15 kg/10a とし、WCでは0-8-15kg/10aとした。
いずれの草種についても、調査・栽培の期間は1998年から2001年までとし、施肥は早春、6月下旬から7月上旬、および8月下旬から9月上旬に等量分施した。 |
|