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チモシー主体草地にスラリーを5月中旬、5月下旬、6月上旬に散布し(5中区、5下区、6上区:合わせてスラリー散布区)、5月中旬に化成肥料を施用した場合(化成区)と比較した結果、5月下旬および6月上旬の原料草の収量は5月中旬にスラリーまたは化成肥料を施用した区よりも低い傾向にある(表1)。 |
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5月中旬、5月下旬、6月上旬のスラリー散布は、散布時期にかかわらず、牧草サイレージの品質(V-SCORE)と、乳牛の自由採食量には悪影響を及ぼさない(表2、3)。 |
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スラリー散布時期が遅くなると牧草サイレージのpHやVFA組成などの発酵品質や、乳牛の飼料選択性が低下する傾向がある(表2、3)。 |
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スラリー散布時期が遅くなるほど、牧草のスラリー付着量は有意に多くなるが、牧草のスラリー中の付着量(乾物比)は0.006から0.109%と、堆肥散布時の堆肥混入量4-28%(糞尿の多量施用が牧草品質に及ぼす影響;平成10年度北海道農業試験会議資料)に比べて極めて少ない(表4)。 |
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以上のように、春のスラリー散布は乳牛の採食性には問題ない。なお、スラリーの散布時期は既存の報告(5月中旬まで)を遵守する。 |