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十勝管内の心土(土層深20〜40cm)の山中式硬度計の平均値は、黒ボク土で20.9mm、多湿黒ボク土で20.3mm、低地土で21.6mmであった(表1)。現在の耕盤層の判定基準は黒ボク土、低地土で20mm以上、多湿黒ボク土で16〜18mm以上となっているが、この基準に従うと、黒ボク土の耕盤層形成率は77%、低地土で84%で、多湿黒ボク土ではすべての圃場で耕盤層有りと判定される。多湿黒ボク土についても心土の堅密化が進んでいることから、耕盤層の判定基準としては黒ボク土や低地土と同様に20mmを採用する。 |
| 2. |
貫入式硬度計と山中式硬度計の関係において土壌間差は小さく、3つの土壌タイプをまとめた両者の相関はr=0.783**である(図1)。推測誤差が3.2mmとやや大きいが、土壌硬度のおおよその目安になる。心土の最大硬度が1.2〜1.4MPaでは耕盤層形成の危険性が高まり(山中式硬度計20mm以上の耕盤層形成率は73%)、1.5MPa以上ではほぼ形成(形成率92%)と推測されることから、貫入式硬度計による耕盤層の目安として1.5MPaが基準となる(図2)。 |
| 3. |
黒ボク土、多湿黒ボク土、低地土において広幅型心土破砕を施工した結果、土壌硬度が低下する(表2)。下層土の混入による作土化学性の悪化が懸念されるが、各養分の低下はほとんど認められず、実際上大きな問題にはならない。 |
| 4. |
広幅型心土破砕によりてんさいでは主として根重増により糖収量が高まり、その施工効果は従来型心土破砕よりも高い(表3)。エン麦、大豆でも生育向上、増収効果が認められ、施工翌年においても効果が持続する(表4)。 |