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新規のヒマワリ、ヘアリーベッチをはじめ、都合8種類の緑肥作物の乾物収量、炭素率、体内窒素濃度などの特性は表1の通りである。 |
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後作緑肥のシロカラシは、ヒマワリおよびヘアリーベッチに比べて出芽性、乾物収量が優り(表1)、また開花し易いことから、景観後作緑肥として適す。 |
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マメ科緑肥のすき込みにより翌春の土壌のネグサレセンチュウ密度は高まる。野生種エンバク「サイアー」は同線虫の発生抑制効果を有する(表1)。 |
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窒素要求量の多いタマネギやテンサイでは窒素放出の早い C/N比の低い後作緑肥のすき込みが収量面から望ましい。また、秋まき小麦ではマメ科の休閑緑肥のすき込みにより収量が増加する(表2)。一方、乾物収量が多くC/N 比が高い休閑緑肥のヒマワリ、トウモロコシおよび ソルガムはすき込み2年目に肥効が発現し、収量増をもたらす(表2)。 |
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ダイズではC/N 比の低いヘアリーベッチ、シロカラシのすき込みにより根粒着生数が低下するが、C/N 比の高いエンバクでは根粒着生がやや促進される(表3)。 |
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菌根菌感受性のヒマワリ、ヘアリーベッチおよびエンバクは、菌根菌感受性の後作物の菌根菌感染率を高める(表3)。 |
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以上のことから、後作緑肥と次作との組み合わせ適性は次のように整理され、これは畑輪作への導入指針として利用できる。エンバク(野生種)−ダイズ。ヒマワリ、マメ科緑肥−タマネギ、トウモロコシ。シロカラシ、マメ科緑肥−テンサイ。マメ科緑肥(休閑緑肥)−秋まき小麦。 |