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北海道内10市町村の根頭がんしゅ病発病ぶどう樹(醸造用品種)より分離した20菌株の細菌を検定したところ、いずれもAgrobacterium
vitis と同定された。 |
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道内分離菌を広範に検出できるVirD2プライマーを設計した。本プライマーは簡易判定植物に病原性を示す全菌株を検出し、既報のプライマーと比較して道内分離菌を最も広範に検出でき、実用上の特異プライマーとして利用できる(表1)。 |
| 3. |
前培養(検定試料中の病原菌を増殖する)培地としてはYPDB(イーストエキス・ペプトン・デキストロース液体)培地が適する。病原細菌をYPDB培地により6日間前培養し、Bio-Rad社製のインスタジーンマトリックスにより菌体核酸を抽出し、Quiagen社製ホットスタートタックを使用しPCRを行い、BMA社製Nusieve3:1アガロースの3%ゲル電気泳動により、細菌濃度 100〜101 個まで検出できる(表2)。 |
| 4. |
本法は茎頂培養苗を対象に病原細菌を 100〜101 個まで検出できる(表3)。このため本法は茎頂培養苗を対象とした簡易診断法として利用できる。 |
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本病発病樹から茎頂培養により無病の苗を作出できる(表4)。
以上のことから、本診断法を利用することによって、無病の茎頂培養苗の選抜が可能であり、無病苗の作出に利用できる(図1)。 |