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チモシー・シロクローバ混播草地における集約放牧条件では、早春放牧開始前のカリ施肥量と早春0〜5cm土壌中の交換性カリの合計量を10kgK2O/10aとすることにより、シロクローバの生草重量割合を混播草地の下限である15%以上に維持できる(図1)。
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年間カリ施肥量を4kgK2O/10aとすることにより、放牧による土壌へのカリの蓄積を緩和できる(図2)。また、この施肥量によって、放牧草のカリ含有率は低減され、ミネラルバランスが改善される。 |
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集約放牧条件のチモシー・シロクローバ混播草地では、窒素施肥量を8kgN/10aから4kgN/10aに低減しても、放牧草の粗蛋白含有率に明瞭な変化は認められない(図3)。 |
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黒ボク土に立地した集約放牧条件のチモシー・シロクローバ混播草地(作土のリン酸吸収係数1800、0〜5cm土壌中の有効態リン酸20mgP2O5/100g以上)では、リン酸施肥量を8kgP2O5/10aから4kgP2O5/10aに低減することにより、土壌中の有効態リン酸含量の増大を緩和できる(図2)。また、放牧草のリン含有率はリン酸施肥量の低減によって低下しない(図3)。 |
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以上の結果、黒ボク土のチモシーを基幹とする集約放牧草地(ホルスタイン搾乳牛の年間入牧頭数370〜430頭・日/ha)では、早春0〜5cm土壌中の有効態リン酸含量20mgP2O5/100g以上、交換性カリ10kgK2O/10aを前提に、年間の施肥量を窒素4kgN/10a、リン酸4kgP2O5/10aおよびカリ4kgK2O/10aまで減肥しても牧草生産性、飼料品質および草種構成を良好に維持できる(図4)。 |