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米のアミロースとレジスタントスターチ(RS)含量には正の相関関係があり、高アミロース米は特異的に多くのRSを含むことが示され(図1)、食物繊維と類似の機能性を備えた食材として有望である。 |
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高アミロース米は、in vivo条件でもRSが特異的に多く生成し、ラットへの継続的投与では、腸内発酵が旺盛となり一般品種に比較して糞便重、盲腸重、盲腸内容物および盲腸内短鎖脂肪酸生成量が増加する(図2)。 |
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高アミロース米は一般米に比較して、ヒトに対する食後の血糖値上昇が緩慢で積算上昇量も極めて低いことから、過剰な血糖値上昇抑制を目的とした機能性食品素材として有望である。(図3)。 |
| 4. |
米の実需では、「生活習慣病の予防を考えた日常的健康食材」の差別化商品アイテムの一つとして、新たな機能性米製品の開発が強く期待されている。また、病態食用途しての機能性米には、医学的な効果だけではなく、長期的に継続可能な食味や価格を備えた製品であることが求められ、流通形態としては、個別ニーズに対応できるように「個食単位の米飯あるいは精白米」が要望される。 |
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消費者は「健康食用途」ではあっても、機能性に関するデータや栽培履歴の明示を求めており、それらの条件が備えられれば付加価値に見合った、差別化商品としての価格設定も可能と考えられる。以上のニーズ調査を総合的に考察し、機能性米の開発と流通の実用化技術開発に向けた方向性と課題を示す(表1)。 |