ばれいしょ「インカのめざめ」から芽条変異した新品種候補「北海98号」

[要約]

ばれいしょ「北海98号」は、カロテノイド系色素を含み、橙肉でナッツ風味がある美味しい2倍体品種「インカのめざめ」の芽条変異系統で、茎色は紫、いもの皮色が赤で「インカのめざめ」とは異なる外観を呈する。

[キーワード]

バレイショ、ジャガイモ、カロテノイド、橙肉、赤皮、芽条変異

[担当] 北海道農研・寒地地域特産研究チーム、バレイショ栽培技術研究チーム
[連絡先] 電話 011-857-9260,電子メール seikajouhou@ml.affrc.go.jp
[区分] 北海道農業・畑作、作物
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 ばれいしょ「インカのめざめ」は、カロテノイド系色素を含み、橙肉でナッツ風味がある美味しいカラフルポテト品種として多くのマスコミ等に注目され、一般の消費者にも極良食味としてイメージが定着しつつあるが、その流通量はまだまだ少ない。
 ばれいしょでは赤皮黄肉の「アンデス赤」など特徴的な外観を有する品種を利用した地域おこしの例もある。特徴的な外観と食味を有する橙肉品種のバリエーションをさらに広げることは消費者の購買意欲を高め、カラフルポテトのより一層の需要拡大につながる。
 そのために、「インカのめざめ」から皮色が赤く変異した「北海98号」の品種登録を行う。
[成果の内容・特徴]
  1. 「北海98号」は、平成13年に橙肉で良食味の2倍体品種「インカのめざめ」の増殖圃場で発見された、皮色が赤色に変異した「インカのめざめ」の芽条変異系統である。
  2. 茎色は紫、いもの皮色は赤で「インカのめざめ」とは異なる外観を呈している(表1図1)。
  3. 茎色と皮色以外の塊茎特性および調理特性、生育特性、収量性は「インカのめざめ」と変わらない。カロテノイド系色素を含み、橙肉でナッツ風味があり、食味は良好である(表1表2表3図1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 橙肉、ナッツ風味を生かした調理・加工ができる。
  2. 特有の外観および肉色から産直販売にも向く。
[具体的データ]

 

 

 

 

[その他]
研究課題名 寒地における地域特産作物の優良品種の育成及び利用技術の開発
課題ID 311-f
予算区分 基盤研究費
研究期間 2001〜2006年度
研究担当者 向島信洋、小林晃、森元幸、津田昌吾、高田明子
発表論文等