小豆の長胚軸特性は機械除草、コンバイン収穫適性品種開発に有効である

[要約]

小豆の胚軸が従来品種より長い特性は、早期培土を行う機械除草体系でも埋没が少なく、また、着莢位置が高くなるので、倒伏が軽微な場合にはリールヘッダコンバインによる直接収穫での頭部損失も低減され、機械除草、コンバイン収穫適性品種開発に有効な特性である。

[キーワード]

アズキ、機械除草、コンバイン収穫、長胚軸、着莢位置

[担当] 十勝農試・作物研究部・小豆菜豆科
[連絡先] 電話 0155-62-9825,電子メール seika@agri.pref.hokkaido.jp
[区分] 北海道農業・畑作、作物
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
従来品種より胚軸が長い小豆系統の、手取り除草を省略した機械除草体系や、4条刈リールヘッダコンバインによる直接収穫に対する適性を評価し、今後進める省力機械化栽培向け品種の開発に長胚軸という特性が利用できるか検証する。
[成果の内容・特徴]
  1. 長胚軸系統では、従来品種に比べて下位葉の位置が高く、小豆の第1本葉出葉期頃の培土により埋没する株が少ない(表1)。早期培土により全埋没した株は、その後新葉が出て生育は回復するが、1週間程度生育が遅れる。
  2. 小豆の第1本葉出葉期頃からの培土と株間除草機を組合わせて手取り除草を省略した機械除草体系では、雑草の本数では手取り除草を行った慣行除草体系より少ないが、初回の培土時に生き残った雑草が7月下旬には大株に生長して散在するため、雑草の生重は慣行除草体系を大きく上回る(表2)。
  3. 長胚軸で着莢位置が高い系統では、倒伏が軽微な場合には、リールヘッダの4条刈汎用コンバインによる直接収穫において頭部損失が従来品種より低減できる。しかし、倒伏程度が大きい場合には、頭部損失率は従来品種並みもしくは高くなる(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果は、機械除草体系、及び、刈幅4条刈以上のリールヘッダのコンバインによる直接収穫の、両方に適する小豆品種開発のための選抜に活用する。
  2. 本成果は、十勝農業試験場の褐色火山性土における試験により得られた成果である。
[具体的データ]

 

 

 

 

[その他]
研究課題名 小豆新品種育成、小豆高着莢位置系統の省力機械化栽培適性評価
予算区分 指定試験、道費
研究期間 2005〜2006年度
研究担当者 島田尚典
発表論文等