ブロッコリーの機能性成分の品種間と窒素施肥による変動

[要約]

スルフォラファンは「サリナスアーリー」で、ビタミンU、ビタミンCは「えがお」で高い傾向がある。窒素施肥量や施肥割合によって、ブロッコリーのスルフォラファン、ビタミンU、GABA濃度が変化する。

[キーワード]

ブロッコリー、スルフォラファン、ビタミンU、ビタミンC、GABA、窒素施肥

[担当] 花・野菜技セ・研究部・栽培環境科、野菜科
[連絡先] 電話 0125-28-2800,電子メール seika@agri.pref.hokkaido.jp
[区分] 北海道農業・生産環境
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
道産ブロッコリーの収穫量は順調に伸びており、その増加程度は国産のそれを遙かに上回り、土地利用型野菜として定着したことがうかがわれる。今後とも、道産ブロッコリーの優位性を保つためには、消費者の安全性・機能性志向に答えるべく内部品質の向上が重要と考えられる。
そこで、ブロッコリーの機能性成分に着目し、スルフォラファン、ビタミンU、ビタミンCやGABAが、品種、作型でどのように変動するかを明らかにし、施肥等による機能性成分向上対策を検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. スルフォラファンの濃度が高い傾向にある品種は「サリナスアーリ−」であり、全ての作型で高濃度である(3カ年平均2.3mg/100g)。ビタミンU、ビタミンCの高い傾向がある品種は「えがお」であり、ビタミンUは晩春まきと初夏まき作型(それぞれ12.1、3.9mg/100g)で、ビタミンCは春まき、晩春まき作型(それぞれ101.1、109.8mg/100g)で高濃度である(表1)。
  2. 作型間変動は年次(気象条件)により変化するものの、GABA、ビタミンUで認められる。品種間変動はビタミンC、GABA、ビタミンUで認められる(表2)。
  3. 一般に施肥量あるいは追肥割合の増加に伴って、濃度が増加する傾向が認められたのはビタミンU、GABAである(図1)。特に、ビタミンUは追肥割合を高めることにより1.5〜2倍増加する。これに対し、濃度の低下が認められたのはスルフォラファンである。ビタミンC濃度の変化は比較的小さい(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 窒素施肥試験に用いた品種は「ピクセル」である
[具体的データ]

 

 

 

 

[その他]
研究課題名 ブロッコリーの機能性成分向上技術の開発
予算区分 道費
研究期間 2004〜2006年
研究担当者 藤倉潤治、地子立
発表論文等