| 作型拡大による収益改善に向けた小玉・中玉すいかの栽培技術と採算水準 |
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| [要約] |
小玉は子づる6本および二段摘心仕立てで1番果放任栽培とし、中玉はポリ穴開け換気で、子づる5本仕立て孫づる放任栽培とする。新たな作型(8月中旬〜9月上旬収穫)での小玉・中玉すいか栽培の採算価格は141円/kgである。 |
| [キーワード] |
小玉すいか、中玉すいか、栽培、整枝法、換気法、採算価格 |
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| [背景・ねらい] |
すいか栽培農家では、労働競合や過度の集中出荷による価格低迷を回避するため、作型拡大を可能とする栽培技術が求められている。そこで、本研究では新たな作型(8月中旬〜9月上旬収穫)を対象とした小玉・中玉すいかの安定多収に向けた整枝法および換気法を検討する。さらに、新作型導入時の採算価格水準と市場対応のあり方を提示する。 |
| [成果の内容・特徴] |
- 小玉すいかの整枝法は、果実収量および品質(糖度)から見て、「子づる6本」または「二段摘心」仕立てとし、1番果は摘果せず放任栽培とする(表1)。
- 中玉すいかの整枝法は、果実収量および品質から見て、「子づる5本」仕立てとし、孫づるは摘除せず放任栽培とする(表2)。また、トンネル換気法は、農ポリ製トンネル被覆資材によるポリ「穴あけ」換気とする。これらにより、整枝作業時間の短縮およびトンネル開閉作業の省力化が図られる。
- 小玉・中玉すいかの栽培費用に基づき経済性を検討すると、採算点となる市場価格は141円/kgとなる(表3、図1)。小玉・中玉すいかの導入時には、収量変動のリスクや輸送費の増加を考慮して、最低限150円/kg以上の市場価格を実現させることが不可欠である。
- 消費動向を踏まえた小玉・中玉すいかの販売面におけるポイントは、(1)一定の数量と品質を維持しつつ長期間に渡る安定的な出荷体制を確立することにより、量販店における陳列棚を守ること、(2)4〜6玉(1果重2kg程度)の中心規格を重視した栽培技術により、冷蔵庫に玉ごと入るサイズの出荷を意識すること、(3)果肉色や種なし等の特色をもった品種の導入により、中玉すいかには「売り(特色)」を付ける必要である。
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| [成果の活用面・留意点] |
- 本技術は、8月中旬〜9月上旬収穫のトンネル栽培における小玉・中玉すいか生産に活用する。
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| [具体的データ] |



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| [その他] |
| 研究課題名 |
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収益性向上を目指した特産すいか栽培技術の開発 |
| 予算区分 |
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道費(重点領域) |
| 研究期間 |
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2004〜2006年度 |
| 研究担当者 |
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小宮山誠一、白井康裕 |
| 発表論文等 |
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