不耕起乾田直播栽培の栽培事例と安定化に向けた技術改善 |
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[要約] |
現地圃場における栽培事例から、播種時期の天候不良による播種精度の低下が問題り、その改善策として、播種に浸種籾が使えること、雑草防除方法として一発処理剤を用いた体系処理の効果が高いこと、新品種「ほしまる」の特性を示す。 |
[キーワード] |
水稲、乾田直播、不耕起、ほしまる、雑草防除 |
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[背景・ねらい] |
大規模水田作経営における不耕起乾田直播栽培の意義や定着に向けた課題等を現地栽培農家の調査から明らかにするとともに、栽培技術の安定化を図るための播種法および除草体系技術を検討し、新品種の栽培特性を明らかにする。 |
[成果の内容・特徴] |
- 現地栽培農家の調査から、本栽培は規模拡大意欲が高く、畑作物の導入に積極的な水田作経営の戦略に合致する。
- 本栽培法の播種作業が降雨などの天候に大きく影響されることから播種適期が短く、播種中止や播種後の降雨による苗立ち不良により、廃耕になる可能性がある(表1)。
- 本栽培法に使用する種子として、浸種籾を用いても苗立ち率が低下しなかったことから、浸種籾による播種が可能である(表2)。
- 「ほしまる」の特性は早生で穂数が多く、千粒重が大きい(表3)。また、「ほしまる」を栽培する際の播種量は粒大を考慮して1kg程度の増量が必要であるが、肥料の種類、窒素施肥量および追肥については、現行の栽培マニュアルに準じることができる。
- 土壌処理剤と一発処理剤の体系処理では、一発処理剤の処理期間が延長され、より安定した除草効果を得ることが可能である。止水で一定期間の湛水状態の維持など使用条件が揃わない場合には、従来の茎葉処理剤による防除体系を行う必要がある(図1)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 本栽培法は、苗立ちが気象条件や土壌条件に左右されやすいので、圃場排水性の改善に十分留意する。
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[具体的データ] |



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[その他] |
研究課題名 |
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不耕起乾田直播による水稲の超省力栽培技術の確立 |
予算区分 |
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道費 |
研究期間 |
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2004〜2006年度 |
研究担当者 |
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楠目俊三、丹野 久、濱村寿史、五十嵐俊成、田中英彦 |
発表論文等 |
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