| 極早生の乾腐病抵抗性たまねぎ新品種「北見交38号」 |
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| [要約] |
たまねぎ「北見交38号」は、北見農試がホクレン農総研と共同で育成した種子親と、サカタのタネが育成した花粉親を交配して得られた単交配一代雑種である。倒伏期は既存極早生品種と同等〜やや早く、規格内率に優れ、乾腐病抵抗性は既存の極早生品種に優る。 |
| [キーワード] |
たまねぎ、極早生、倒伏期、乾腐病 |
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| [背景・ねらい] |
北海道では、本州産から北海道産への切り替え時期に当たる8月上旬からの安定出荷を目的とした、たまねぎの早期は種作型栽培を推奨している。しかしながら、この作型に適する本道向けの極早生品種数は極めて少ない状況にあり、地域事情に合わせた品種選定が出来ないことが早期は種作型普及への障害となっている。 早期は種作型に導入できる品種数を揃えることにより、たまねぎの栽培地域と生産者の品種選択の幅を広げ、北海道における早期は種作型栽培面積の拡大をはかることが可能となる。同時に、本州産から北海道産への切り替え時期である8月上旬からの早期出荷用たまねぎの安定供給に寄与できる。 |
| [成果の内容・特徴] |
- 早期出荷用北海道向け極早生F1系統「北見交38号」は北見農試がホクレン農総研と共同で育成した細胞質雄性不稔系統「BPR93511-03-01A」を種子親とし、サカタのタネが育成した花粉親系統「NS」を交配して得られた品種である。
- 倒伏期は「北早生3号」と同程度〜やや早く、「北はやて2号」より早い(表1)。
- 規格内収量および規格内率は「北早生3号」に優り、「北はやて2号」にやや優る(表2)。
- 内部成分は既存の極早生品種と同等である(表3)。
- 乾腐病菌苗接種検定において、「北見交38号」の乾腐病抵抗性は同指標品種「スーパー北もみじ」にやや優る(表4)。
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| [成果の活用面・留意点] |
- 全道の早期は種作型たまねぎ栽培地帯に普及する。
- 乾腐病抵抗性は「北早生3号」、「北はやて2号」より優るが、激発ほ場での栽培は避ける。
- 本系統は根張りが強いため、根切り作業が不十分な場合には切断されなかった根が土中に残り、球の二次肥大や枯葉遅延につながるおそれがあるため、根切りには十分に留意する。
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| [具体的データ] |



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| [その他] |
| 研究課題名 |
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たまねぎ極早生F1系統「北見交38号」及び「同39号」の採種技術確立と栽培特性評価 |
| 予算区分 |
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共同研究 |
| 研究期間 |
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1993〜2006年度 |
| 研究担当者 |
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柳田大介、西田忠志、野田智昭、中野雅章、田中静幸、入谷正樹、駒井 史訓、小谷野茂和 |
| 発表論文等 |
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