老化性および簡易アミロース含量測定による高品位米選抜のための食味検定法


[要約]

[キーワード]

[担当]道立上川農試・研究部・栽培環境科、水稲科、道立中央農試・基盤研究部・農産品質科
[代表連絡先]電話0166-85-4119
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 最近育成された「ななつぼし」等の北海道品種の食味評価(総合値)は向上しており、「おぼろづき」「ゆめぴりか」の食味はこれらの品種をさらに上回る(図1)。
  2. 北海道米の米飯テクスチャーは大きく向上し、現在では府県品種との違いは認められない。また、過度な粘りと柔らかさの増強は食味を低下させることから、「適正範囲のテクスチャー」を有する系統を選抜することが必要である。
  3. 北海道米は、登熟温度および不稔歩合の変動によるアミロース・タンパク質含有率の年次変動が大きいため(図2)、これらの変動が小さい遺伝資源の導入が必要である。(図1)。
  4. 高品位米の選抜を強化するための食味検定法として、多点数一括処理が可能なBAP(βアミラーゼ-プルラナーゼ法)前処理方法およびプレートリーダーを活用した還元糖測定法を考案し、これらを組み入れた測定手順により、90点/日の測定が可能になる(図3)。米飯の食味劣化程度の指標となる老化性を用いて育種材料の選抜や、実需評価における老化進行程度のモニタリング、最適炊飯・保温条件の解析にも用いることができる。
  5. レジンディスペンサーによる簡易秤量、重量補正法を導入することにより、従来法によるアミロース含量の測定を簡易化できる。また、マルチチャンネルディテクタを備えたオートアナライザーを用いて、秤量を省略し、吸光パターンからアミロース含量を推定する手法を開発した。これらの簡易測定法の導入により、試料の秤量時間を従来法の1/3〜1/6に短縮でき、育種材料の選抜を効率化できる(図4)。
  6. 今後の食味検定スキームにおいて、初期世代では簡易法の導入によりアミロース選抜を一層強化し、その後さらに米飯老化度検定を加えることにより、アミロース含量近似集団に対する良食味米選抜の高度化と効率化が促進される。

[成果の活用面・留意点]

  1. 米飯老化性の簡易評価法は、育成材料の検定に加えて、民間研究機関、流通・加工・実需機関での品質評価にも活用可能である。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)での課題名および判定区分「北海道米品種の食味現況と高品位米選抜強化のための新しい食味検定法」(指導参考)

[具体的データ]

[その他]




目次へ戻る