BB肥料の水稲側条施肥装置への適応性
[要約]
粒径2〜4mmに調製した水稲側条用BB肥料は側条施肥装置による繰り出し精度が化成肥料とほぼ同じで、5時間の連続作業でも詰まりを生じることはない。BB肥料の水稲の生育、収量、品質に対する肥効も化成肥料と同等であり、水稲側条施肥に使用できる。
[キーワード]
BB肥料、水稲側条施肥装置、繰り出し精度、粉化、収量
[担当]道立中央農試・生産研究部・機械科
[代表連絡先]電話0123-89-2287
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・普及
[背景・ねらい]
従来のBB肥料は化成肥料と比べて粒径が小さく(1〜2mm程度)、材質が不均一で粉化しやすいことから、田植機の側条施肥装置の繰り出し精度が低く、水稲側条施肥用肥料として普及していない。本試験では粉化・吸湿が起こりづらい資材に変更し、粒径を揃えたBB肥料の繰り出し試験と栽培試験を実施することにより、水稲側条用BB肥料としての適応性を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- BB肥料(BB
444「14-14-14」、BB620「16-12-10」、BB093「20-9-3」)の水稲側条施肥装置における繰り出し精度は傾斜目皿方式、横溝ロール方式ともに化成肥料(化成444「14-14-14」)とほぼ同じである(表1)。
-
横溝ロール式の定置試験ではホッパ内残量10%時にBB肥料の分離が起こり、成分保証値に比べNで増加、K2Oで若干低下する傾向がある。ただし、同様の分離条件の成分量による栽培試験では、精玄米重およびタンパク質含有率に影響しない(表2)。また、BB肥料の繰り出し時における粉化は化成肥料よりも多いが、5時間の連続運転を行っても繰り出し部、ホース等、施肥機内部の詰まりを生じることはない。
-
成苗用田植機(横溝ロール式)、中苗用田植機(傾斜目皿式)ともに、BB肥料の施肥量は定置繰り出し量とほぼ等しい。また、BB肥料を用いた水稲の生育、収量、品質および養分吸収量は化成肥料を用いた対照区とほぼ同じである
(表3)。
[成果の活用面・留意点]
- 本試験に供試したBB肥料は、塩安、硫安、塩加、リン酸一アンモニウムを原料とし、粒径2〜4mmに調製した製品である。
-
施肥機の繰出し量目盛りが同じでも化成肥料とBB肥料で繰り出し量が異なるので、メーカーに問い合わせるか、取扱説明書に従い繰り出し量を調整する。
-
BB肥料は化成肥料同様に田植機の施肥装置を適宜清掃する。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「水稲側条施肥へのBB肥料の適応性」(指導参考)[具体的データ]

[その他]
研究課題名:水稲に対するケイ酸資材の機械散布技術と効果確認試験
予算区分:受託(民間)
研究期間:2007〜2008年度
研究担当者:稲野一郎、原圭祐
目次へ戻る