コムギのフルクタン合成酵素遺伝子の導入によるイネ幼苗の耐冷性の強化


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・低温耐性研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・生物工学
[分類]研究・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. コムギのフルクタン合成酵素1-SST(sucrose:sucrose 1-fructosyltransferase)または6-SFT(sucrose:fructan 6-fructosyltransferase)の遺伝子を導入した形質転換系統では、原品種には存在しない、β(2,1)結合のイヌリン型フルクタンとβ(2,6)結合主体のレバン型フルクタンがそれぞれに蓄積する(図1)。
  2. 26℃/19℃(16時間日長)の人工気象室で10日間育てたイネ形質転換系統の幼苗では、原品種ではオリゴ糖が殆どないのに対し、フルクタンが蓄積し、その含量は1-SST遺伝子導入系統の方が高い。また、フルクタン蓄積が顕著な個体では、可溶性総糖含量も増加する(図2)。
  3. 上記形質転換系統の幼苗を5℃弱光下で11日間処理した後に26℃/19℃の人工気象室で1週間生育させると、原品種では生育を再開する個体の率(生存率)が10%程度に留まるのに対して、フルクタンを高蓄積する1-SST遺伝子導入系統では生存率が有意に向上し、最高で約90%の生存率を示す(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. フルクタン合成酵素遺伝子を用いた作物の耐冷性向上技術として活用できる。

[具体的データ]

[その他]




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