ばれいしょ栽培におけるストーンクラッシャの活用技術
[要約]
ストーンクラッシャによる石れきの破砕処理は翌年栽培するばれいしょの変形、緑化、打撲低減に効果があり、土壌凍結地帯ではハロー処理前にストーンクラッシャを用いた残存塊茎の破砕処理で翌年の野良いも発生量が低減される。
[キーワード]
[担当]道立十勝農試・技術普及部・技術体系化チーム
[代表連絡先]電話0155-62-2431
[区分]北海道農業・畑作
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
[成果の内容・特徴]
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チャートや流紋岩などの変成岩を含む、れき含率10〜11%以下のほ場で、ばれいしょ播種前にストーンクラッシャを用いて石れきの破砕処理を行った結果、30mm以上の石れき割合は1%以下となった(表1)。
ばれいしょ植付後の土塊径分布・三相分布・地温は、処理の有無による差は認められず(データ省略)、ばれいしょの収量にも有意差は認めらない。しかし処理区の変形いもと緑化いもの割合、機械収穫時の塊茎の打撲発生率は無処理区よりも低く、品質向上効果が認められる(表2)。 -
土壌凍結深が20cm以上の圃場において、ストーンクラッシャ処理により野良いもの発生率は無処理区対比0〜83%の範囲で低下する(表3)。
ハローの前処理は無処理に比べ野良いもの発生が増加する傾向が見られ、ハロー処理により野良いもが表面付近からストーンクラッシャの破砕作用を受けない土層に移動するためと推察される。
ストーンクラッシャの作業速度0.2〜0.4m/sの範囲では、野良いもの発生低減効果はほぼ同程度である。 -
以上の結果をもとに、ばれいしょ栽培において、石れき対策と野良いも対策としてストーンクラッシャの活用する場合のポイントを示した(表4)。
[成果の活用面・留意点]
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チャートや流紋岩などの変成岩が存在するれき含率10〜11%程度の圃場において、ストーンクラッシャ処理後に30mm以上の石れきの存在割合が1%以下となることを条件とする。ただし石れきの圧縮強度に基づく適用限界については未検討である。
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野良いもに対する効果は、除雪の有無にかかわらず土壌凍結深が20cm以上となる場合のデータである。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ばれいしょ栽培におけるストーンクラッシャの活用技術」(指導参考)[具体的データ]
[その他]
研究課題名:ばれいしょ栽培におけるストーンクラッシャの活用技術
予算区分:受託(民間)
研究期間:2007〜2008年度
研究担当者:田中 英彦、白旗 雅樹、渋谷 幸平、竹中 秀行、稲野 一郎
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