道南地方で発生した大豆「タマフクラ」の出芽不良原因および当面の対応


[要約]

[キーワード]

[担当]道立道南農試・技術体系化チーム、道立中央農試・作物研究部・畑作科、シンジェンタジャパン株式会社・開発部・フィールド開発グループ
[代表連絡先]電話0138-77-8116
[区分]北海道農業・畑作
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 「タマフクラ」の出芽不良症状は、出芽の不斉一・遅延、根の屈曲、子葉中央部の黒変・腐敗、子葉・初生葉の脱落、チアメトキサム水和剤の子葉への固着、胚軸地際部の褐変に概括された。
  2. 「タマフクラ」の発芽は遅く緩慢で、発芽揃いに時間を要する。種皮は「ユウヅル」より硬く、幼根が屈曲して発芽する個体が多い。
  3. クラストが形成された粘性の高い原土区(褐色低地土)では客土区(火山性土)に比べ出芽が遅れ、出芽率が劣る(図1)。
  4. 覆土深6cmでは、覆土深2cmおよび4cmと比べて出芽率は大きく低下する(表1)。
  5. 高水分条件において,チアメトキサム水和剤処理により出芽率は著しく低下し、子葉腐敗程度が高まる。低水分条件では出芽率および子葉腐敗程度への同剤の影響は軽微である(表2
  6. チアメトキサム水和剤とチウラム水和剤の多重処理では、処理順にかかわらず、出芽率は無処理およびチアメトキサム水和剤単独処理より顕著に高まる(図1表1)。
  7. 「タマフクラ」の播種時における当面の対応を表3に示す。「タマフクラ」は環境条件によって出芽不良が起こりやすいので、クラストの出来やすい排水不良ほ場での栽培を避ける。また、チアメトキサム水和剤の単独処理を避け、土壌水分が高い状態もしくは高くなることが見込まれる状態での播種を避け、播種時の覆土深は4cmを超えないものとする。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本成績は、道南地方の「タマフクラ」栽培ほ場で発生した出芽不良の発生要因を室内試験結果などを基に解明したものである。
  2. いもち病抵抗性が不十分であるため、発生予察に留意し、適切な防除に努める。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「平成20年道南地域で発生した大豆「タマフクラ」の出芽不良原因および当面の対応」(指導参考)

[具体的データ]

[その他]




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