コムギ縞萎縮病抵抗性で、ブレンド適性に優れる超強力秋まき小麦「北海261号」
 


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・パン用小麦研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畑作、作物
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 「北海261号」は秋まき硬質のパン用品種育成を目標に、「札系159号」と「KS831957」 のF1を母とし「月系9509(後のキタノカオリ)」を父として人工交配を行い、選抜・固 定を進め、育成したものである。
  2. 「北海261号」の特性(「ホクシン」との比較;(表1))
     1)出穂期は同程度で、成熟期は2日遅い。
     2)稈長はやや短く、穂長はやや長い。倒伏の発生は少ない。
     3)コムギ縞萎縮病抵抗性は優れる。
     4)耐雪性はやや劣るが、うどんこ病抵抗性・耐穂発芽性は同程度である。赤かび病抵抗性は  やや優れ、赤さび病抵抗性は優れる。
     5)収量性・容積重はほぼ同程度で、千粒重はやや大きい。外観品質は同程度である。
     6)粉質は硝子質、製粉歩留は同程度からやや低く、ミリングスコアはやや低い。
     7)60%粉の粗蛋白質含量は高く、灰分含量はやや高い。小麦粉の明るさ、黄色みはほぼ同  程度である。
     8)ファリノグラムの吸水率・バロリーメーターバリュウは高い。ミキソグラムのピークタイ  ムは長く、生地の物性は強く、小麦粉の性質は超強力である。
  3. 中力小麦とブレンドすることにより優れた製パン適性を示す()。
  4. 原粒粗蛋白質含量が高く、醤油原料用としても利用できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 北海道の秋まき小麦栽培地帯に適応する。
  2. 不良土壌環境では、早期に枯れ上がり収量が低下することがある。
  3. 気象および土壌条件により、葉身に斑点状またはかすり状に黄化する現象がみられる。 これらは条斑病、赤さび病による症状と判別が可能であるが、原採種圃場の選定ならび に病害株の抜き取り作業での本現象と病害との区別に留意する。
  4. 耐雪性が中であるので、雪腐病防除を励行する。
  5. 超強力小麦としての特性を発揮させるため、蛋白質含量が低くならないように止葉期 以降の窒素追肥を行う等の肥培管理に努める。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および分類
「小麦新品種候補「北海261号」」(普及推進)

[具体的データ]

[その他]




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