小麦調製の比重選別機の戻りに光学式選別機を利用すると製品歩留が向上する


[要約]

[キーワード]

[担当]道立中央農試・生産研究部・機械科
[代表連絡先]電話0123-89-2287
[区分]北海道農業・畑作
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 小麦粒の近赤外線透過特性を解析した結果、近赤外域全般において健全粒よりも赤かび粒の透過率が小さい特徴があることから(図1)、近赤外線センサを搭載する光学式選別機が赤かび粒率の除去に適している。
  2. 近赤外線センサを搭載するベルト式小麦光学式選別機(Au-300)で歩留95%以上で感度設定した場合、原料(春よ恋)の赤かび粒率が1.4%以下であれば、赤かび粒の被害程度、外観に関わらず検査基準の0.049%を下回ることができる(表1)。比重選別機までの工程で赤かび粒を1.4%以下にし、他の形質を基準値以内に調製しておけば光学式選別機を使って赤かび粒率の基準を満たすことができる。
  3. 比重選別機(OLIVER50A)の戻り(製品と屑が混在するため再選別を必要とし、原料に戻される中間品)を再度比重選別する体系(図2)の規格内調製歩留に比べ、比重選の戻りを光学式選別機(Au-300)にかけた体系の歩留は向上し、その効果は赤かび粒率が大きい原料ほど顕著である(表2)。比重選別機の戻りを光学式選別機にかけた体系で規格内に調製したときの製品DON濃度は基準値以下になる。両選別体系の製品の整粒割合に大差は無いが、光学式選別機では比重選別機に比べ、開溝未熟粒率の低下の割合が小さい傾向にある。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本研究成果は小麦共同乾燥調製施設の選別ラインで近赤外線光学式選別機を効率的に利用するために活用できる。
  2. 光学式選別機では開溝未熟粒率の除去は困難であるため、このような充実不足粒が多い原料では比重選別機での赤かび粒の除去を勘案しながら、歩留を調製する必要がある。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
   「小麦調製体系における光学式選別機の利用による歩留の向上」(指導参考)

[具体的データ]

[その他]




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