血漿中チオバルビツール酸反応物の測定および乳牛の排卵時期との関係


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・自給飼料酪農研究チーム
[代表連絡先]011-857-9268、電子メール seika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畜産草地、畜産草地
[分類]研究・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 試験牛としては、北農研においてTDN充足率を満たした粗飼料主体の飼料で飼養された乳牛で、早期排卵初産牛8頭、対照初産牛10頭、早期排卵経産牛12頭(平均産次平均産次2.1±1.1)、対照経産牛3頭(平均産次平均産次3.3±1.2)を用いる。
  2. ホルスタイン種雌牛の血清と異なる血液抗凝固剤を含む血漿(ヘパリン血漿・EDTA血漿)中TBARS濃度の違いを比較検討すると、血清中TBARSは、EDTA血漿中の濃度と相関が見られない(図1)。血清やヘパリン血漿中TBARSはEDTA血漿中濃度に比べて極めて低い濃度である。ヘパリン血漿中TBARS濃度は、分析作業のひとつである振盪時間によって値が変動し、振盪時間の長短で相関は見られない(図2)。EDTA血漿中TBARS濃度は血清やヘパリン血漿に比べて、分析作業環境を限定できる。
  3. 分娩後25日から27日の間に黄体を確認した乳牛を早期排卵牛とし、黄体の確認ができなかったものを対照牛として、分娩周辺時のEDTA血漿中TBARSを測定すると、初産牛と経産牛(p<0.01)、早期排卵牛と対照牛(p<0.01)とでは血漿中TBARS濃度が異なるが、産次と試験区との相互作用はみられない。また、早期排卵初産牛は対照経産牛よりTBARS濃度が明らかに高い(p<0.01)。初産牛(p<0.05)および経産牛(p<0.01)では、それぞれ早期排卵牛は対照牛よりTBARS濃度が低い傾向がみられる(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 乳牛の酸化ストレスおよび分娩後早期卵巣機能回復の研究において基礎的知見となる。
  2. 成果3は北農研での結果であり、他の飼養条件の牛では異なる傾向がみられる可能性がある。

[具体的データ]

[その他]




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