余剰バイオガスの精製・圧縮装置を用いた地域利用システム


[要約]

[キーワード]

[担当]道立中央農試・生産研究部・機械科、道立根釧農試・研究部・経営科
[代表連絡先]電話0123-89-2287
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 開発した精製圧縮充填装置は、バイオガス利用システムの基幹施設であり、余剰バイオガスを都市ガス規格12A(ウオッペ指数IW:ガスの発熱量をガスの比重の平方根で除した値:49.2〜53.8、燃焼速度34〜47m/sの範囲内のガス)相当の精製ガスに改質する機能を搭載している。この装置は、高圧ガス保安法で規定された第二種製造者が生産できる高圧ガス製造量「100Nm3/日未満」に対応可能である (図1)。
  2. A町をモデルにしたバイオガス利用システムのエネルギー収支解析の結果、バイオガスプラントで生産された精製ガス(約3.5万Nm3/年)を経営系内での消費(精製ガスの0.3%)と町内(精製ガスの98.3%)へのガス事業者のインフラを活用した精製ガスの分配を行うことで、A町3661戸の内、219戸(6%)への一般住宅にガス供給できる(図2
  3. LCC解析の結果、バイオガス利用システムにおける精製ガスの購入上限価格は301円/ Nm3と試算され、精製ガスのLPG換算である消費者の購入上限価格(298円/Nm3)を僅かに上回る。しかし、大口の消費者を顧客とすることで、供給設備工事の施工数が減少することで消費者の購入上限価格を下回り追加所得を十分期待できる(図3)。
  4. LCA解析の結果、バイオガス利用システムの総温暖化負荷は298t-CO2eqで、従前のバイオガスプラント(547t-CO2eq)に比べ、249t-CO2eq削減可能である(1

[成果の活用面・留意点]

  1. バイオガス利用システムの普及対象はバイオガスプラントを所有もしくは建設計画を持つJA、農家および市町村である。
  2. 開発した精製圧縮充填装置のバイオガスプラントへの適用対象は経産牛250頭規模である。また、精製圧縮充填装置の設計は設 置予定のバイオガスプラントのガス生成能力を把握した上で行うこと。
  3. 精製圧縮充填装置を設置する場合は、高圧ガス保安法およびガス事業法を遵守すること。また、日産100N m3以上の精製ガスを生産する場合、高圧ガス製造保安責任者の設置が必要である。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
   「余剰バイオガス精製・圧縮装置と地域利用システム」 (普及推進)

[具体的データ]

[その他]




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