セルリーのチューブかん水栽培における減化学農薬・減化学肥料栽培技術


[要約]

[キーワード]

[担当]道立中央農試・環境保全部・土壌生態科、生産環境部・病虫科
[代表連絡先]電話0123-89-2580
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 調製重(調製後の1株重)、窒素収支、総かん水量からみると、無加温促成作型ではチューブ3/4区(1回当たりかん水量が圃場容水量(pF1.5相当)の3/4量)、抑制作型ではチューブFC区(同圃場容水量)が適切なチューブかん水法と判断される(表1)。また、チューブかん水区での調製重低下には生育初期の株元の土壌水分不足の影響が疑われる。
  2. チューブかん水栽培により各種病害の発生が減少し耕種的防除法と位置づけられる。減化学農薬栽培への寄与が大きい(データ省略)。
  3. 斑点病に対して薬剤ごとに効果に違いがあり、チューブかん水では卓効薬剤は14日間隔散布でも効果が認められる(表2)。チオファネートメチル水和剤は高度耐性菌が発生しており効果はない(表2)。
  4. Pseudomonas marginalis pv. marginalisによる腐敗病が発生しており、軟腐病と混発している。軟腐病に対して薬剤ごとに効果に違いがあり(表2)、腐敗病(未登録ではあるが)に対しても効果が期待できるものがある。
  5. チューブかん水栽培において、複数病害への同時防除、斑点病での被害許容水準(発病度で25)、定植時や葉掻時の薬剤防除の必要性、栽培期間を通した効率的な薬剤散布方法を明らかにし、病害に対する減化学農薬栽培技術を作成した(表3)。
  6. セルリーは窒素施肥に対する反応が緩慢なため、十分な調製重を得るためには土壌窒素肥沃度を高めるとともに、化学肥料窒素施用量を適正範囲とすることが重要である(データ省略)。調製重は窒素吸収量と有意な正の相関を示し、その窒素吸収量は合計窒素供給量(総窒素施用量+土壌窒素供給量)と密接に関連することから、土壌窒素供給量に対応した総窒素施用量ならびに化学肥料窒素施用量の上・下限値を設定した(表4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本成績は無加温促成および抑制作型(ともにハウス栽培)のチューブかん水栽培に対して活用する。
  2. 虫害に対しては平成18年度指導参考事項「セルリーの肥培管理・病害虫防除の実態と改善方向」を遵守し、アシグロハモグリバエ発生地では、本年度提出課題「てんさいのアシグロハモグリバエ防除対策」を参照して対策を講じる。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「セルリーのチューブかん水栽培における減化学農薬栽培技術と土壌診断に基づく施肥対応」(普及推進)

[具体的データ]

[その他]




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