混合貯留乾燥における循環式乾燥機の断熱被覆による保温効果


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・北海道水田輪作研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.j
[区分]北海道農業・水田・園芸作、共通基盤・作業技術
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 循環式乾燥機の外壁を断熱シート(グラスウール、厚さ100mm、幅430mm、長さ2880mm、熱伝達率0.5[W/m2K])で図1のように乾燥機側板を密着して被覆することによって、外気温が低い場合に乾燥機側板からの放熱を防ぐことができる。
  2. 断熱シートで被覆した乾燥機内の側板から15cm内側の大豆・小麦混合物堆積層内の温度、および断熱被覆のない対照区(被覆なし)の温度は、図2のように、対照区は、加温後の温度低下が早く、24時間以内に外気温+2℃以下に低下するのに比べ、被覆した堆積層では、48時間まで外気温+5℃以上で推移し、長時間の保温効果がある。そのため、乾燥直後の25〜30℃くらいに温まった小麦を大豆と混合することによって、途中の加温を必要とせずに迅速に乾燥することができる。
  3. 堆積層内温度と外気温と堆積層、断熱シート、外表面層での熱伝達率から計算される単位面積当たり放熱量は、図3のように、被覆なしでは2時間後までの放熱量が多く、温度低下が早いが、被覆した場合は、放熱量が少なく推移し、堆積層内の温度が保たれる。
  4. 一定温度条件下の試験容器の混合貯留中の混合物の水分変化は、図4のようであり、混合物は減率1段の実験式で表される水分変化を示し、温度が高い方が平衡水分差(ヒステリシス)も小さく、大豆から小麦への水分移行速度も速まる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 乾燥機側板の断熱方法については、断熱シートと側板を密着して貼り付け、外気が流入しないようにする。断熱シートを被覆する他に、発泡ウレタン塗布などの方法もある。
  2. 混合貯留乾燥において、堆積層の穀粒の温度が10℃以下になる場合は、2時間程度、加温・循環を行って穀温を再加温する。
  3. 乾燥機からの放熱量を少なくすることができるので、通常の乾燥でも穀温の低下を防ぎ、乾燥を早めることができ、エネルギーを節約することができる。

[具体的データ]

[その他]




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