ポリポットを利用した高糖度トマト栽培技術とその経済性評価
[要約]
水稲育苗終了後の空きハウスにおいて、径21cmポリポットを利用し、0.1%塩水と液肥による灌水を行い、直立誘引で5段目収穫栽培により、夏季に糖度8%以上のトマト生産が可能である。
[キーワード]
[担当]道立上川農試・技術体系化チーム
[代表連絡先]電話0125-85-4109
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
水稲育苗終了後の空きハウスにおいて、前作物の影響を受けないポリポットを利用した高糖度トマト(糖度8%以上のトマト)栽培技術を実証するとともに、当該技術の経済性評価を行う。
[成果の内容・特徴]
- 水稲育苗終了後の空きハウスにおいて、0.1%塩水と液肥による灌水を行い、直立誘引で5段目収穫栽培により、夏季に高糖度トマト生産が可能である。(表1)。
- 塩水処理を生育途中で打ち切ると糖度の低下や裂果の多発をまねくことから栽培全期間実施する必要がある(表2)。
- ポット径は、根域の制限、作業性、栽植密度の向上および塩水処理条件下での生育状況から径21cm(培土量4L)が適当である。
- 直立誘引は斜め誘引に比べて糖度が高い傾向を示し、総じて果実品質が良好であることか ら、誘引方法は直立誘引が適当である(表3)。
- 本試験で提案する高糖度トマト栽培を行った場合、50坪ハウス(6.0m×27.5m)1棟当たりの粗収益は759,360円、家族労働費を除く生産費用は201,435円、農業所得は557,925円と試算される(表4)。
[成果の活用面・留意点]
- ポット栽培で緩効性肥料を利用すると、溶出速度が速まるため初期生育旺盛となり尻腐果が多発する
- 高糖度トマト栽培に適した育苗および栽培初期の管理方法は未検討である。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ポリポットを利用した高糖度トマト栽培技術とその経済性評価」(指導参考)
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:水稲育苗ハウスを利用した高糖度トマト・ポット栽培導入の実証
予算区分:道費
研究期間:2007〜2009年度
研究担当者:小松勉、木村文彦、坂口雅巳、西村直樹、島惠子、安岡眞二、岡田直樹
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