培土ホワイトアスパラガスの安定多収栽培法
[要約]
培土ホワイト栽培はグリーン栽培と同等以上の総収量が得られる。培土上シートべたがけ(上面黒色)被覆ホワイト栽培は地温を高め収量を増加させ、その効果は複数年持続する。慣行無被覆培土ホワイト栽培で安定多収持続可能な収穫日数は50日間である。
[キーワード]
ホワイトアスパラガス、グリーンアスパラガス、培土、被覆、収穫日数
[担当]道原環セ・農業研究科
[代表連絡先]電話0135-74-3131
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
現行主要品種「ガインリム」を用いて、培土によるホワイトアスパラガス栽培における、グリーン栽培との生産性の相違、培土の簡易被覆(着色抑制かつ増収技術)効果の複数年持続性、慣行無被覆培土ホワイト栽培における6年生以降株の適正収穫日数を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 培土ホワイト栽培は、グリーン栽培より若茎総本数は少ないが平均1本重は重く、同等以上の総収量が得られる (表1)。
- 培土上シートべたがけ(上面黒色)被覆ホワイト栽培(40日間収穫のみ検討)は、地温を高め、総収量の対無被覆比が3カ年連続で148%以上であることから、連用可能と判断される (表2)。増収要因は、若茎総本数の増加であり、平均1本重はほぼ同等である。
- 慣行無被覆培土ホワイト栽培の適正収穫日数検討では、50日間区が最多収で6カ年連続して多収を持続したため、50日間が適正収穫日数と判断される (表3)。40日間区と比較して、収穫始めからの40日間は総収量積算推移、日別平均1本重はほぼ同等であるが、プラス10日間の収穫により若茎総本数が多かったことが多収要因である(図1)。
- 過収穫の影響を調べるため慣行無被覆培土ホワイト栽培60日間収穫区を設けたところ、処理2年目に総収量積算推移の低下傾向、日別平均1本重の減少傾向がみられる (図1)。60日間収穫は一時的に多収になるものの、複数年連続処理は不適な収穫期間と考えられる。
[成果の活用面・留意点]
- 培土ホワイトアスパラガス安定多収化のための資料とする。
- 岩宇地域(後志管内共和町)の原環セ圃場(山地黄色土(置土客土))及び現地試験圃(砂丘未熟土)において、品種「ガインリム」を用いて実施した試験結果である。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「培土ホワイトアスパラガスの安定多収栽培法」(指導参考)
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:岩宇地域におけるホワイトアスパラガスの省力・長期出荷のための栽培管理法
予算区分:道費(一般)
研究期間:2004〜2009年度
研究担当者:植野玲一郎、大久保利道、中野雅章、大橋優二、後藤英次
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