機器測定による中華めんの硬さおよび色の評価法
[要約]
少量(50g)の小麦粉を材料に、テクスチャーアナライザーを用いた茹でめんの最大荷重の測定値から、官能評価による硬さが評価できる。また分光測色計を用いたL*値、a*値から、めん帯色の評価ができる。
[キーワード]
中華めん、テクスチャー、官能評価、色、硬さ、機器測定
[担当]道立中央農試・基盤研究部・農産品質科、道立北見農試・作物研究部・麦類科
[代表連絡先]電話0123-89-2585
[区分]北海道農業・畑作
[分類]研究・参考
[背景・ねらい]
小麦の中華めん適性は、食感と色の官能試験で評価されることが多い。官能評価の実施には多大な時間と手間を要し、多点数を同一基準で評価することは難しい。このため多数の品種・系統の評価には、客観的に評価を行える機器測定が有効である。本研究では、中華めんの硬さおよび色に関して、官能評価との整合性が高い機器評価方法を構築する。
[成果の内容・特徴]
- 中華めんの材料を均等に混合するためにフードプロセッサーを使用し、小麦粉50gから茹でめんテクスチャー測定用のめん線(10g×2回分)と、測色用のめん帯(4枚)を採取することができる(図1)。
- テクスチャーアナライザー(TA-XT2i、Stable Micro System)による測定値の変動は茹で時間2分で大きく、4分以降ではほぼ安定するため、茹でめんのテクスチャー測定は、茹で時間4分以上で行うのが妥当である(データ省略)。図1の手順で中華めんを4分間茹で、テクスチャー測定を行うと図2のような測定値が得られる。
- 小麦粉の種類と茹で時間調整により硬さに差をつけた茹でめんについて、官能評価を行った。茹でめんの最大荷重(F)は、官能評価における「硬さ」の評価と相関が高く、中華めんの「硬さ」は最大荷重(F)により評価できる(図3),。
- 育成系統における茹でめんテクスチャーの最大荷重(F)および曲線下面積(S)と、「硬さ」以外の要因も含めた食感評点との間には高い正の相関が認められ(F: r=0.751、S: r=0.816、いずれもn=19、p<0.01)、これらの測定値が高い系統は食感の総合的な評価が高い。
- めん帯色については、色の官能評価値と分光測色計(CM-3500d、コニカミノルタセンシング)の測定値(L*、a*)は相関が高い(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 少量(50g)のサンプルを使用した中華めん適性(硬さおよび色)の評価法として、品質選抜の効率化、品種育成の促進に活用できる。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「機器測定による中華めんの硬さおよび色の評価法」(研究参考)
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:ニーズに対応した道産小麦の開発促進 1.ニーズに対応した高品質小麦小麦開発の促進 1)中華めん用等硬質秋まき小麦の開発促進
予算区分:受託
研究期間:2007〜2009年度
研究担当者:阿部珠代、小林聡、小宮山誠一、吉村康弘、奥村理
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