バレイショ収穫時に発生する塊茎打撲調査に加速度センサは有効である


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・バレイショ栽培技術研究チーム、北海道畑輪作研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畑作、共通基盤・作業技術
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 全ての年次において、打撲発生率とハーベスタ内において測定された加速度の全合計値(以下,積算加速度)には正の相関関係が見られる(図2)。この積算加速度を比較することにより、打撲発生率の相対的評価が簡易に可能である。
  2. 本試験に用いた加速度センサはリアルタイムでデータが取得できる特徴をもつ。加速度センサの位置を目視で確認することにより、3つのコンベヤ(図1、右図)のどの部位で発生したかをその場で判断し、記録することができる。そこで、それぞれのコンベヤにおいて発生した積算加速度を算定する。さらに塊茎打撲の発生要因と考えられる独立変数を追加し、線形一次の重回帰分析を行う。その結果、第一コンベヤにおける積算加速度と回収される土塊量が塊茎打撲発生率に対して有意(表1)となり、この2つが打撲発生の主要因である。
  3. 有意となった2つの独立変数から、 打撲発生率[%] = 0.28×第一コンベヤにおける積算加速度[G]+7.33×土塊量[kg/m2]という推測式が求められる(決定係数は0.52)。一例として、第一コンベヤにおける積算加速度が30Gであった場合、土塊量が0kg/m2であれば8.4%、1.5kg/m2であれば19.4%の打撲発生が推測される(図3)。これより、いずれの年次においても、加速度の調査と土塊量の測定だけで、簡易に打撲発生率が推測できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 同時に投入できる加速度センサは一つであり、ハーベスタ内を通るルートは一定ではなくばらつきが大きいため、発生加速度の調査には3回以上の反復が必須である。
  2. 今回の推測式は記載した機材、供試品種「トヨシロ」、平均地温20.3℃の場合であり、収穫時の地温、品種、塊茎の含水率および熟度などから、塊茎打撲発生率が異なる可能性がある。

[具体的データ]

[その他]




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