移植たまねぎにおける肥効調節型肥料を用いたポット内施肥法


[要約]

[キーワード]

[担当]道立中央農試・生産環境部・栽培環境科
[代表連絡先]電話0123-89-2581
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 微粒被覆硝安100日型肥料(詳細は表1、A肥料と略記)は添加後の培土ECを速やかに上昇させ、幼植物の生育を抑制する。育苗専用被覆硝安140日型肥料(、B肥料)は添加後の培土EC変化が小さく、添加量4〜6%で幼植物の生育が比較的良好である(表2)
  2. B肥料5%添加培土(本圃施肥量で1.2kgN/10a相当)で育苗した苗の移植時の苗質は、無添加苗とほぼ同等である。ポット内施肥により、移植時の培土無機態窒素量は増加するが、EC値は上昇しない(表2)
  3. 総窒素施肥量をYES!clean栽培基準の化学肥料施用量上限値(13kg/10a)とほぼ同等の12.6kg/10aとしたとき、ポット内施肥により球肥大始期の乾物重が増加し、規格内収量は1〜6%(平均4%)増収する(表3)。ポット内施肥区の窒素吸収量は対照区とほぼ同等に推移しており、乾物生産効率の向上が主たる増収要因と考えられる。
  4. 総窒素施肥量を18kg/10aとした多肥区は、濃度障害の影響を受け初期生育が抑制される場合があり、規格内収量および窒素吸収量も12.6kg/10a区に及ばなかったことから、多肥栽培は収量の安定性や環境保全面から好ましくないことが再確認される(表3)
  5. 以上の結果から、シグモイド型の肥効調節型肥料のうち育苗期間中の窒素溶出が極めて少なく培土のEC値を上昇させない肥料を、培土に対して重量比で5%程度添加するポット内施肥法は、たまねぎの初期生育向上および増収に有効である。

[成果の活用面・留意点]

  1. YES!clean栽培における初期生育向上および増収技術として活用する。
  2. ポット育苗にはみのるたまねぎ専用培土を用い、バインダー投入前に肥料を添加して一度均一に混合する。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「移植たまねぎにおける肥効調節型肥料を用いたポット内施肥法」(指導参考)

[具体的データ]

[その他]




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