ホタテガイ加工残さを原料とする速効性有機液肥・培土の製造法および使用法


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・寒地温暖化研究チーム、根圏域研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]研究・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. タンパク質分解と臭い抑制のための乳酸生成(pH低下)を同時に行う微生物複合発酵技術を確立し、ホタテガイ加工残さ(主に生殖巣のうちの精巣)から速効性を有する有機液肥と育苗用培土の製造が可能である(図1)
  2. 微生物複合発酵系では、タンパク質分解菌、乳酸生成菌として、それぞれAspergillus awamoriおよびLactobacillus rhamunosusを用い、乳酸発酵基質として20g/Lの廃糖蜜を添加する(図1)。約0.75%の窒素を含む分解液は、プレート式濃縮装置を用いて、10倍濃縮にかけられる。固形残さは乾燥・粉砕により、肥料分を有する培土材として利用可能である。
  3. 有機液肥は、分子量1,000以下のペプチドを含有し(図2)、窒素は植物によって速やかに吸収される(図3)
  4. 有機液肥は、水稲育苗用追肥、トマト本圃用追肥として、固形残さを原料とする培土は水稲苗、野菜セル苗、野菜ポット苗の育苗場面において利用できる(表12)

[成果の活用面・留意点]

  1. 有機液肥の10倍濃縮品は、肥料取締法の定める液状複合肥料としての基準を満たす。
  2. カドミウムを蓄積する中腸腺を除去した原料を用いるため,製品中のカドミウム濃度は,極めて低く,基準値以下である.
  3. 約4トンの精巣(1バッチに相当)から、475本の液肥(10倍濃縮品、20kg入り)と約1,700袋の育苗培土(50L入り)が生産可能である。
  4. 液肥および育苗用培土の製造原価(試算)は、上記規格品において、それぞれ4,600円、3,200円である(地方自治体等によるイニシャルコスト(建設費、機材費など)の75%が補助され、償却年数を10年と仮定)。

[具体的データ]

[その他]




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