Rapid Immunofilter Paper Assay
(Ripa)

Rapid Immunofilter Paper Assay
(Ripa)
メニュー
(1)原理と種類
(2)準備
(3)実際の手順
(4)注意点
(1) 原理 と種類
ELISAと同じ抗原抗体反応を利用しますが、反応を濾紙上で行うため、極めて短時間に結果を得ることが出来ます。ほぼ同様の原理を用いたイムノクロマト法(Immunochromato graphy)というものもあります。
(2) 準備
検査試薬
全ての種類の検査試薬が手に入るわけではありません(クリックするとそれぞれのサイトに移ります)
Agdia:CMV, TSWV, INSV, TMVなど(直接購入するより割高となるが、和光が代理店をしている)
Agdiaの検査キットは、検査紙のみと、磨砕用バッグとのセットが販売されていますが、検査紙のみの方が安価です。この場合、適量のPBSTを使って乳鉢と乳棒を使って磨砕してください。
器具
(必要に応じて)乳鉢、乳棒
(2) 実際の手順
ここでは、Agdiaのキットを用いた検査を紹介します。(参考:Agdia)
1.試料をサンプルバッグまたは乳鉢に入れ、磨砕する。サンプルは、病徴が明確で枯死していない部位を1〜2cm使う(黄色または緑黄色になっている部分がよい。褐色の部分はあまり良くない)
2. すぐに検査紙の先をバッファーに浸す(下図)
3.5分程度待って、バンドが2本出ていれば陽性と判断する。バッファーがあがるのが遅い場合や、バンドが極めて薄い場合は15分程度待って、もう一度判断する
(3) 注意点
感度は?
•Agdiaのキットはかなり感度が高いようですが、もちろんRT-PCRやLAMPよりは感度は低くなります。
•非得意反応は少ないようですので、バンドがかなり薄い場合も陽性と判断しても良いようです。
•トスポウイルスは同じ作物にいくつかの異なる種類が感染する場合があり、判定が難しい場合がありますが、AgdiaのImmunostripにはTSWVとINSVがあり、明確に区別することが出来ます。ただし、近年、キクで発生しているCSNVは検出できないので、RT-PCRを用いる必要があります。
•TMVのキットはPMMoV(トウガラシマイルドモットルウイルス)にも反応するようです。逆にこれを利用して、PMMoVの検出にTMV用のImmunostripを使うことも出来ます。
コストについて
RIPAはかなり高価なため、大量検定向きではありません。裏技として、Agdiaのキットはハサミで縦に(横に切ってはダメですよ!)裂くように切ると1本で2倍使えます。当たり前ですが、一度使った物は洗っても使えませんので、注意してください。