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現地ほ場におけるキャベツ後水稲湛水点播直播栽培の実証


[要約]
現地ほ場におけるキャベツ後ヒノヒカリの湛水点播直播栽培では、基肥窒素を慣行の移植栽培より2割減肥し、さらにキャベツ残さ由来の推定窒素量を減じた量とし、中干しを4日程度長くする技術を導入すると慣行の移植栽培と同等の収量・品質が得られる。

[キーワード]
キャベツ後、点播直播栽培、ヒノヒカリ、中干し

[担当]
福岡県農業総合試験場・農産研究所・栽培部・作物栽培研究室

 [連絡先]092-924-2848
 [区分]九州沖縄農業・水田作
 [分類]技術・普及


[背景・ねらい]
キャベツ後作における湛水点播直播栽培については、キャベツ残さのすき込み時期及び施肥法、代かき時期や播種時の水管理(1999年成果情報)及びヒノヒカリでの水管理法(2000年度)を明らかにしてきた。そこで、これらの新技術を現地ほ場において実証する。

[成果の内容・特徴]
  1. 水稲生育期間中に供給されるキャベツ残さ由来の窒素量は、すきこみから入水までの日数と窒素残存率との関係を用いることにより推定できる(図1)。

  2. 小郡市赤川地区の10ha規模のキャベツと水稲の輪作体系において、
    1. 基肥窒素を慣行の移植栽培より2割減肥し、さらにキャベツ残さ由来の推定窒素量とする技術
    2. 中干しを慣行の移植栽培より強くする水管理技術
    を投入した結果、湛水点播直播栽培は収量・品質ともに慣行の移植栽培と同程度となり、既往の技術は有効である(表1,表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 露地野菜水稲の輪作体系におけるキャベツ後作でのヒノヒカリの直播栽培のための施肥法及び水管理技術として活用できる。

  2. 10a当たりのキャベツ残さ由来の窒素供給量は、すき込む前の残さ量(kg)×0.03(窒素含有率)×(キャベツの窒素残存率水稲収穫後の残存窒素率14%)で推定する。

[具体的データ]

図1 キャベツ残さの窒素残存率


表1 キャベツ後作で窒素の減肥した播種法別の生育


表2 収量構成要素、収量、品質

[その他]
研究課題名:水稲点播直播と露地野菜の複合経営における水田の省力的高度利用技術の確立
予算区分 :国庫(地域基幹)
研究期間 :2000〜2001年度

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