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水稲湛水土中点播直播の平坦地域における安定栽培法


[要約]
平坦地域における水稲湛水土中点播直播では、安定して55〜60kg/aの収量を得るには28,000〜30,000粒/平方メートルの籾数が必要である。籾数を確保するには、基肥を半減し分げつ肥を施用することが有効である。ヒノヒカリの播種晩限は標高100m以下では6月25日である。

[キーワード]
水稲、湛水土中点播直播、施肥、播種晩限

[担当]
大分農技セ・水田利用部

 [連絡先]0978-37-1141
 [区分]九州沖縄農業・水田作
 [分類]技術・普及

[背景・ねらい]
水稲湛水土中点播直播は水稲生産の低コスト化を図る新技術として期待されている。このため、平坦地域の主力品種であるヒノヒカリについて生育、収量の特徴を明らかにするとともに、良質安定栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 平坦地のヒノヒカリの点播直播は移植栽培に比べて最高茎数はやや多いが、無効分げつの増加により穂数は同程度となり、1穂籾数が少ないため収量はやや低下する。品質・食味は良い(表1)。

  2. 安定して55〜60kg/aの収量を得るためには、平方メートル当たり籾数28,000〜30,000粒が必要である(図1)。

  3. 籾数、収量を確保するための施肥体系は、基肥窒素量を半減し、分げつ肥に窒素量2kg/10a施用することが有効である。(図2)。

  4. 標高100m以下のヒノヒカリの播種晩限は出穂期、登熟、収量からみて6月25日が適当である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 標高300m以下のヒノヒカリに適用する。なお、標高100〜300mの播種晩限は6月25日より早める必要がある。

[具体的データ]

表1 点播と移植の生育及び収量、品質


表2 播種晩限試験結果


図1 点播直播きのm2当たり籾数と収量の関係


図2 施肥体系と収量の関係

[その他]
研究課題名:中山間地域における代かき同時点播直播を基幹とした低コスト稲作技術の確立
予算区分 :地域基幹研究
研究期間 :1997〜2001年度

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