小麦「イワイノダイチ」の早播栽培における最適播種量
-
[要約]
- 小麦「イワイノダイチ」の早播栽培(11月上旬播)における播種量(苗立数)は収量性、耐倒伏性、製粉性からみて50〜100本/m2が適する。
- [キーワード]
- イワイノダイチ、小麦、耐倒伏性、収量性、製粉性、播種量、早播栽培
- [担当]
- 福岡農総試・豊前分場・普通作物野菜研究室、筑後分場・水田高度利用研究室
[連絡先]0930-23-0163、0944-32-1029
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]技術・普及
-
[背景・ねらい]
- 小麦の作付面積の拡大や収穫期の雨害回避のためには、小麦の播種期の早進化は有効な手段の1つである。しかし、西南暖地の主力品種は秋播性が低いため、早播すると幼穂凍死の発生や生育の後期凋落などにより作柄が不安定となる。そこで、秋播性が高い早生小麦「イワイノダイチ」を用いて、11月上旬播栽培における安定生産のための最適播種量を明らかにする。
-
[成果の内容・特徴]
-
- 「イワイノダイチ」の早播栽培における播種量(苗立数)は、50〜100本/m2とすることにより倒伏関連形質が優れて倒伏程度が軽減されるとともに、千粒重が重くなって、収量、製粉性が優れる(表1、表2、表3、表4)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
「イワイノダイチ」を早播栽培する場合の栽培技術資料として活用できる。
- 苗立本数が50〜100本/m2となる播種量は2.5〜5.0kgを目安とする(千粒重40g、苗立率80%の場合)が、「イワイノダイチ」は大粒であるために少量播となりやすい。このため、播種作業前には機械の播種量調節を必ず行う必要がある。
-
[具体的データ]
-

表1 播種期、苗立数と収量、品質および製粉性(豊前分場、平成8〜10年)

表2 播種期、苗立数と収量および品質(筑後分場、平成11、12年)

表3 現地における苗立数と収量および品質

表4 播種量と倒伏関連形質
-
[その他]
-
研究課題名:小麦の作期早進化による高品質生産技術の確立
予算区分 :21世紀プロジェクト
研究期間 :1996〜2000年度
目次へ戻る