いぐさ品種「ひのみどり」に適した染土液の調製法
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[要約]
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いぐさ品種「ひのみどり」に適する染土液は、淡路地方産の染土と「ひのみどり」用に開発された備後地方産染土を同量使用したものが最も良好であり、その適正な染土液濃度は、縦水切りで28〜30Bh,横水切りで24〜26Bhである。
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- いぐさ、「ひのみどり」、染土液
- [担当]
- 熊本農研セ・い業研・加工部
[連絡先]0965-52-0372
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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現在熊本県では、いぐさ品種「ひのみどり」を利用した高品質畳表のブランド化を推進している。そのためには「ひのみどり」に合わせた色調を創出し、その統一を図ることが重要である。そこで、「ひのみどり」に適する染土液の調製法を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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「ひのみどり」に適する染土液は、淡路地方産の染土と「ひのみどり」用に開発された備後地方産染土を同量使用したものである。これを使用した畳表の明度は高く、パネルの評価は安定して良好である(図1、表1)。
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染土液濃度が高いほど畳表の色調の評価は高くなる。しかし現地において、横水切り28Bhで乾燥むらが生じることが観察された。このことから、供試範囲内の適切な染土液濃度は、縦水切りで28〜30Bh,横水切りで24〜26Bhである(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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「ひのみどり」栽培・加工の指導資料として活用できる。
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横水切り28Bhより高濃度で泥染めを行った場合、乾燥むらが生じる恐れがある。
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10アール当たりの染土使用量は、縦水切りで750kg(28Bh),横水切りで650kg(24Bh)であり、従来使用された淡路産染土単体の場合と比較して、100〜200kg増加する。
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[具体的データ]
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図1 淡路地方産染土と「ひのみどり」用に開発された備後地方産染土

表1 各種染土の畳表への影響

表2 水切方法と染土濃度の畳表への影響
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[その他]
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研究課題名:「ひのみどり」の加工特性(「ひのみどり」の泥染めにおける水切り方法と染土濃度の関係)
予算区分 :県単
研究期間 :1997〜1999年度
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