福岡県におけるスルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草の発生
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[要約]
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福岡県内の水田において、アメリカアゼナ、イヌホタルイ、コナギの3草種についてスルホニルウレア系除草剤(SU剤)抵抗性バイオタイプの発生が確認された。SU剤抵抗性イヌホタルイに対しては、ブロモブチドを含む除草剤の効果が高い。
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- SU剤抵抗性、アメリカアゼナ、イヌホタルイ、コナギ、ブロモブチド
- [担当]
- 福岡県農業総合試験場・農産研究所・栽培部・作物栽培研究室
[連絡先]092-924-2848
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
- スルホニルウレア系除草剤(SU剤)は多くの雑草種に対して除草効果が高く、使用面積が増加しているが、近年北海道、東北地域を中心に抵抗性雑草が出現し問題となっている。九州地域においても1999年に佐賀県でタケトアゼナとミゾハコベ、2001年に宮崎県でタケトアゼナについてSU系除草剤抵抗性バイオタイプの出現が確認されている。一方、福岡県の飯塚地域においても2001年6月に、SU剤を連年施用したほ場でアメリカアゼナ、イヌホタルイ、コナギのSU剤抵抗性と思われる残草が確認されたため、抵抗性の有無を確認する。またイヌホタルイについては今後の防除対策として数種除草剤の効果を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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発根法及び酵素活性を利用した検定法による両者の検定試験から、SU剤を適期処理した水田に残草していたアメリカアゼナ、イヌホタルイ、コナギの3草種でSU剤抵抗性であることが確認された(図1、図2)。一部のほ場ではイヌホタルイとコナギの混在が認められた。
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抵抗性イヌホタルイが確認された水田土壌から出芽したイヌホタルイに対しては、ブロモブチドを含有した混合剤の効果が高い(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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2002年度の福岡県普通作物雑草防除基準に記載し、SU剤抵抗性イヌホタルイが発生した場合の防除対策の資料とする。
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抵抗性雑草の発生が認められた場合は、その草種に効果のある一発処理剤か非SU系成分を含む初期剤と、中後期剤との体系処理で防除を行う。
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[具体的データ]
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図1 ベンスルフロンメチル処理条件下での各草種の発根数

図2 イヌホタルイの発根試験

表1 出芽したイネホタルイに対する水稲除草剤の効果
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[その他]
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研究課題名:水田におけるSU系除草剤抵抗性雑草の発生
予算区分 :経常
研究期間 :2001年度
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