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無染土いぐさの畳表への加工特性


[要約]
無染土畳表には「いそなみ」より部分変色茎が少なく色調で優る「筑後みどり」が適する。無染土いぐさの退色は染土を拭き取った泥染めいぐさと差がない。無染土いぐさはかし後製織できるまでの時間が長く、製織後の乾燥速度は遅い。

[キーワード]
無染土畳表、退色、かし、乾燥速度

[担当]
福岡農総試・筑後分場・い草研究室

 [連絡先]0944-32-1029
 [区分]九州沖縄農業・水田作
 [分類]技術・参考

[背景・ねらい]
畳表を無染土いぐさで製織する技術は、最近の消費者の健康志向のニーズおよび生産現場での作業環境の改善と生産コストの低減のため要望されている。一方、無染土とした場合に目立って欠点となる部分変色茎が少ない特性を有する「筑後みどり」の育成により無染土畳表への利用が期待される。そこで無染土畳表の加工技術を確立するため、無染土いぐさの加工特性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 無染土畳表用の品種として「筑後みどり」は「いそなみ」より元白では劣るものの、部分変色茎が少なく色調が優り、総合的に優れる。しかし、「筑後みどり」でも無染土畳表は泥染め畳表に比較すると、元白、部分変色茎が目立ち、色調も劣る(表1)。

  2. 紫外線による退色程度は泥染めいぐさより無染土いぐさが大きいものの、畳表としての使用場面を想定して泥染めいぐさの染土をふき取って退色させた場合の退色程度は無染土いぐさと差がない(表2)。

  3. 無染土いぐさは泥染めいぐさよりかし後製織できるまでの時間が長い(表3)。

  4. 生いぐさの乾燥速度では無染土いぐさと泥染めいぐさで差がないものの(データ略)、製織後の乾燥速度は無染土畳表が泥染め畳表より遅い(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 無染土畳表の用途は健康志向に対応した特殊物として限定される。

  2. 無染土いぐさの加工技術資料として活用できる。

[具体的データ]

表1 品種が異なる畳表と染土の有無の嗜好性1)(1998年)


表2 無染土いぐさ及び泥染めいぐさの退色1)(1998年)


表3 かし後の経過時間と製織可能時


図1 無染土畳表と泥染め畳表の含水率の変化(1999年)

[その他]
研究課題名:無染土いぐさの加工法及び染色技術の確立
予算区分 :経常
研究期間 :1998〜2000年度

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