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ジョンソングラスの生育制御による河川敷草地の有効利用


[要約]
河川敷草地のジョンソングラスは、秋期耕うんまたはイタリアンライグラス播種により生育制御が可能である。また、ジョンソングラスを利用する場合草丈150cm程度で刈り取ればスーダングラスとほぼ同等の粗飼料として利用できる。

[キーワード]
ジョンソングラス、イタリアンライグラス、生育制御、河川敷草地

[担当]
福岡農総試・畜産研究所・飼料部・飼料作物研究室、家畜栄養研究室

 [連絡先]092-925-5229
 [区分]九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作・生産利用)
 [分類]技術・普及
 

[背景・ねらい]
河川敷草地は、大規模飼料作物生産圃場として近郊酪農家の自給飼料確保に大きな役割を果たしているが、近年、外来野草であるジョンソングラスが草地内に侵入し、牧草等の栽培収穫に支障を来している。ジョンソングラスは、地下茎及び種子で増殖する多年生植物で、生育が早く刈り取り期が遅れると茎が硬くなるとともに消化率が低下し家畜の嗜好性が劣る。このため、秋期耕うんとイタリアンライグラス播種により、早春のジョンソングラスの生育を制御し牧草の収量を増加させる方法を検討するとともに、早い生育ステージでのジョンソングラスの利用の可能性について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. ジョンソングラスの繁茂する河川敷草地では、秋期にロータリー耕うんまたはイタリアンライグラスを追播することで翌年度のジョンソングラスの生育を制御できる(表1)。

  2. 河川敷草地で牧草の収量を上げるためには、秋期にロータリー耕うん後イタリアンライグラスを播種するか、または、不耕起でもイタリアンライグラスを追播すると良い(表1)。

  3. ジョンソングラスの生育ステージ別栄養価は、CP(粗たん白質)は低いもののスーダングラスとほぼ同等である。草丈150cm程度で刈り取ればOb(低消化性繊維)含量が比較的少ない粗飼料として利用できる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 河川敷草地を管理する場合に利用できる。

  2. ジョンソングラスは刈り取り期が遅くなると茎の硬化が進むので、草丈150cm程度の伸長期で刈り取り利用する。

  3. 秋期ロータリー耕うんを行う場合、細かく地下茎を細断するほどジョンソングラスの翌春の再生を抑えることができる。

[具体的データ]

表1 イタリアンライグラスの導入がジョンソングラスの生育に及ぼす影響(平成10〜11年)


表2 ジョンソングラスのステージ別栄養価(12年)

[その他]
研究課題名:河川敷におけるジョンソングラスの有効利用
予算区分 :県単
研究期間 :2000年度(1998〜2000年度)

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