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夏期におけるビタミンA・E給与による乳牛の繁殖成績の改善


[要約]
夏期において乳牛の分娩前後にビタミンA・E剤を飼料に添加して給与することにより、胎盤停滞の発生が減少し、分娩後の子宮整復・発情回帰・初回発情の日数が短縮し、繁殖成績が改善される。

[キーワード]
ビタミン、乳牛、分娩前後、夏期、繁殖

[担当]
大分畜試・酪農・環境部

 [連絡先]TEL0974-76-1216 Fax0974-76-1227
 [区分]九州沖縄農業・畜産・草地
 [分類]技術・普及
 

[背景・ねらい]
西南暖地の夏期に分娩する乳牛は、暑熱ストレスで乳量、乳質の低下だけでなく受胎率や肝機能の低下が現れる。一方、ビタミン類やセレンなどの不足が繁殖性の低下に関与していることが明らかにされている。そこで、夏期における乳牛の繁殖成績の改善に資する目的で、ビタミン類(ビタミンA・E)の投与が繁殖性の向上に及ぼす効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. ホルスタイン種の乳牛に対し、分娩前7日〜分娩後30日間に、ビタミンA50万単位、ビタミンE1千単位を飼料に添加して給与すると、通常の飼料給与をした牛に比べ、血漿中ビタミンAおよびビタミンE濃度が高く推移する(図1)。

  2. 繁殖成績では、ビタミンA・Eの給与により胎盤停滞の発生が減少し、分娩後の子宮整復・発情回帰・初回発情等の日数が短縮される。受胎率は、夏期にもかかわらず71.4%(5/7)となる(表1図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 夏期に分娩予定の乳牛の繁殖性改善方策の一環として活用できる。

  2. ビタミン剤給与の経費は1頭当たりで2,830.5円、1日当たりで535.5円となる。

[具体的データ]

図1 ビタミンA・E濃度の推移(平均値)


図2 繁殖成績


表1 繁殖成績


表2 乳量と受胎成績

[その他]
研究課題名:物質循環型酪農経営確立のための飼養管理技術の開発、ビタミン類投与による繁殖成績等の改善
予算区分 :交付金
研究期間 :2000〜2001年度

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